初のオリンピック(五輪)に臨む佐藤駿(21=エームサービス/明治大)が、故郷の先輩の背中を追う。来年2月のミラノ・コルテ…

初のオリンピック(五輪)に臨む佐藤駿(21=エームサービス/明治大)が、故郷の先輩の背中を追う。

来年2月のミラノ・コルティナ大会代表発表から一夜明けた22日、都内で取材対応。「同じ舞台に立つことができるのが夢のよう」と瞳を輝かせた。同じ仙台市出身で五輪2連覇王者の羽生結弦さんを尊敬する21歳。五輪での日本男子5人目のメダル獲得へ「ただ出場することが目標ではない。良い結果を出して、羽生さんと同じような立場になれるよう頑張りたい」と力を込めた。

5歳のころに、羽生さんと同じアイスリンク仙台で競技開始。当時を振り返ると「すごく優しくしてもらった」と自然と笑顔になる。五輪を目指すきっかけも羽生さん。14年ソチ大会のショートプログラム(SP)をテレビで見て「同じ舞台に立ちたい」と強く思った。

18年に父の転勤で埼玉に拠点を移してからも、憧れを胸に研さん。大技4回転ルッツなどを武器に19年ジュニアGPファイナルを制し、24年からはシニアの同ファイナルで2年連続3位に入った。今月上旬の同大会で出した自己ベスト292・08点は、今季世界3位のハイスコア。21日閉幕の全日本選手権でも自己最高2位となり、五輪切符をつかんだ。

メダル候補で迎える夢舞台。偉大な先輩を追うように、躍動を目指す。

「自分の演技をすることが一番。自己ベストを超えることを頭に置いて頑張りたい」

その先に、表彰台からの景色がある。【藤塚大輔】