【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返る朝日杯FS【Pick Up】カヴァレリッツ…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返る朝日杯FS
【Pick Up】カヴァレリッツォ:1着
父サートゥルナーリアは今年、JRAで5つめの平地重賞制覇となりました。この数字はキズナ、ロードカナロア、ドゥラメンテに次ぐ第4位で、兄のエピファネイア、リオンディーズを上回っています。初年度産駒がまだ3歳であることを考えればきわめて優秀です。おそらく来年は兄2頭と一緒に種牡馬ランキングのベスト10に入ってくるでしょう。それらの母シーザリオの偉大さをあらためて想わずにはいられません。
母バラーディストはサトノフラッグ(弥生賞)、サトノレイナス(桜花賞-2着、阪神JF-2着)をきょうだいに持つ良血。2代母バラダセールはアルゼンチンの3歳牝馬チャンピオンです。バラーディストの全姉2頭、バラダガールとダンサールはいずれも繁殖牝馬として成功しており、前者はニューバラード(3勝クラス)の、後者はカラマティアノス(共同通信杯-2着)の母となっています。活力旺盛なこのファミリーは今後も活躍馬を出し続けるはずです。
母方にハーツクライを持つサートゥルナーリア産駒は成功しており、ファンダム(毎日杯)、フェスティバルヒル(ファンタジーS)、コートアリシアン(新潟2歳S-2着、ニュージーランドT-3着)といった活躍馬が出ています。同日の阪神5R新馬戦(芝1800m)を勝ったトリニティも「サートゥルナーリア×ハーツクライ」でした。
ちなみに、「エピファネイア×ハーツクライ」はエフフォーリア、ジョスラン、ヴァルキリーバースを、「リオンディーズ×ハーツクライ」はミュージアムマイル、インダストリアを出しています。「シーザリオの息子×ハーツクライ」の配合は注目です。
◆血統で振り返るターコイズS
【Pick Up】ドロップオブライト:1着
トーセンラー産駒の重賞勝利はキャンディードの中京2歳S以来4ヵ月ぶり。今年2勝目です。
ディープインパクト産駒のトーセンラーは、現役時代にマイルCSなど3つの重賞を制覇しました。スピルバーグ(天皇賞(秋))、フラワーアレイ(トラヴァーズS)をきょうだいに持つ超良血です。後者は本邦輸入種牡馬アイルハヴアナザーや、ラッキーライラックの母ライラックスアンドレースの父です。
ドロップオブライトの母プレシャスドロップは繁殖牝馬として成功しており、JRAで出走を果たした9頭の仔のうち、プレシャスエース(オーバルスプリント-4着)、テンテキセンセキ(3勝クラス)を含めて5頭が勝ち上がっています。
母方にニジンスキーを持つトーセンラー産駒は、ドロップオブライトの他にザダル(エプソムC、京都金杯)、アイラブテーラー(京阪杯-2着)、アケルナルスター(福島記念-5着)などが出ているニックス。連対率16.4%、1走あたりの賞金額215万円は、トーセンラー産駒全体の10.9%、114万円をそれぞれ大きく上回っています。サンデーサイレンスとフレンチデピュティを併せ持つ配合構成は繁殖牝馬としても好ましく、母となってからも期待できます。