三塁の守備にも課題を抱え、市場の動きが鈍った村上(C)CoCoKARAnext ともすれば、ショッキングな契約だった。 …

三塁の守備にも課題を抱え、市場の動きが鈍った村上(C)CoCoKARAnext
ともすれば、ショッキングな契約だった。
現地時間12月21日、今オフにヤクルトからポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍を目指していた村上宗隆が、ホワイトソックスと2年契約で正式合意。米スポーツ専門局『ESPN』によれば、総額3400万ドル(約53億7000万円)でサインした。
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22年にNPB史上最年少での三冠王にも輝いた天性の打撃センスを秘める村上。いわば、「日本球界最高のスラッガー」の契約を巡っては、ポスティング行使当初からヤンキースやメッツ、ドジャースといった名門をはじめとする複数球団から総額2億ドル(約308億円)を超える大型契約が舞い込むという米報道もあった。
しかし、FA市場でも「目玉」として取り上げられていた25歳に関する情報は、時間が経つにつれて下火に。一部の米メディアではヤクルトに戻る可能性も論じられた。
NPBでのコンタクト率(ボールにバットが当たる確率)の低さと三振の多さが足を引っ張り、評価を高めきれなかったという村上。そうした情勢下でサインした相手は、“望外”とも言えるホワイトソックスだった。
過去3度の世界一を誇る古豪だが、近年は不振が続いている。とりわけ直近3年間は借金162という“弱小”ぶりだ。2023年に61勝101敗で4位に落ちると、昨季は近代野球史上ワーストとなる121敗(41勝)の不名誉な記録を樹立。今季も60勝102敗に終わり、地区最下位に沈んだ。
他球団を出し抜いたホワイトソックス。衝撃的な獲得には“思惑”がある。
村上との交渉をすっぱ抜いていたMLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者は、「長期のオファーもあったが、彼は2年契約を選び、自らに賭けた」と伝えた上で、「ホワイトソックスには、ムラカミのようなハイリスク・ハイリターンの選手に賭ける余裕がある」と、古豪の皮肉な現実を読み解いた。
「もしも、シーズン開幕から1か月間、1試合2三振を喫し続けても、優勝候補として大きな期待を背負うチームに生じるようなベンチ降格のプレッシャーがホワイトソックスにはない。このチームは、ムラカミにメジャーリーグにアジャストするための調整時間を与えられる。もしも、そこで彼が覚醒できれば、打線のコアとなる選手、もしくは将来的に有力トレードの切り札にもなるだろう」
実際、クリス・ゲッツGMも、地元紙『Chicago Sun Times』において「我々は若い選手たちがどう活躍していくかを見守る。そして選手たちを育成し、どれだけのインパクトを残せるかを見極めたい」と断言。スモールマーケット球団の在り方を示している。こうした球団幹部の姿勢を見ても、ホワイトソックスは村上を育成し、将来的にトレード含めて“利益”をもたらすことを意図して獲得に踏み切ったと考えるのは想像に難くない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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