2024年の日本ツアー年間女王・竹田麗央は25年、米国女子ツアー(LPGAツアー)で1年を過ごした。3月の「ブルーベイ…

写真とともに竹田麗央のルーキーイヤーを振り返る

2024年の日本ツアー年間女王・竹田麗央は25年、米国女子ツアー(LPGAツアー)で1年を過ごした。3月の「ブルーベイLPGA」で優勝し、年間レース(CMEグローブ ポイントランキング)で4位に入る活躍を見せたスーパールーキーはまだ22歳。単独インタビューでスマホのカメラロールを見渡すと、コースの内外で新天地を全力で楽しむ様子が見えてきた!(取材・構成/桂川洋一)

初体験→即引退、世界一との夕食…カメラロール見せて!竹田麗央のLPGAトラベル【後編】

単独インタビュー

ポイントレースだけでなく、賞金ランキングでもツアー4位に入った竹田は、シーズンを通じたパーオン率で2位(77.02%)、トップ10入りの回数で7位(8回)と多くの部門でエリートクラスの数字を残した。アンダーパーで回ったラウンド数「79」、60台でのラウンド数「53」、バーディの数「420」はそれぞれトップ。それらは今季ツアー最多、「30」の出場試合数にも後押しされたものでもある。

試合を休んだのは3月末の1大会だけで、同時期には日本ツアーに出た。さらに悪天候により途中で中止された「アーカンソー選手権」、国別対抗戦「インターナショナルクラウン」を含めると、赴いた試合会場は実に33。「一番多く出場した?よっしゃあ!(笑)。まあ、出られる試合は全部出たいと思っていたので」と表情には達成感もちょっと浮かぶ。

ハワイ合宿でスタートした2025年

ハワイ合宿で一年がスタート(提供画像)

新天地への準備は米国・ハワイで始めた。シーズン開幕に備えて1月中に合宿を敢行。大好きな小祝さくら先輩と常夏の島で汗を流す。「10日くらいやってフロリダに行きました」。向かった先の開幕戦「トーナメント・オブ・チャンピオンズ」でいきなりトップ10(8位)フィニッシュ。翌週に米国でもう1試合プレーしてから、春のアジアシリーズに出場した。

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タイ→シンガポール→中国

ゴルフウェアでシンガポール観光(提供画像)

観光らしい観光は、タイ(ホンダLPGA)の翌週、シンガポールでの「HSBC女子世界選手権」期間中が初めて。マーライオンをカメラに収めつつ、「あのホテルがすごかった。船の。泊まってないですけど」と世界的なリゾートにマリーナベイ・サンズにびっくり。昨年の「TOTOジャパンクラシック」以来となるツアー通算2勝目、今季初優勝はさらに翌週の中国で行われた「ブルーベイLPGA」だった。

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ニューヨークで地下鉄に

みずほアメリカズオープンではマンハッタンを望みながらコースへ(提供画像)

4月に米国に戻り、メジャーシーズンの合間に遊びに行ったニューヨークが刺激的だった。5月「みずほアメリカズ・オープン」の後、マンハッタンでオフを過ごす。「あのコース(リバティーナショナルGC)も好きになりました。あの公園、ああ、セントラルパークも面白かった」

ニューヨーク観光もバッチリ(提供画像)

遠征中はたいてい、母・哲子プロとの二人旅。「スマホで調べて地下鉄に乗って。野球が好きなので、ニューヨーク・メッツの球場にも行きました。すごく寒かったので、半分くらいまでしか観てないんですけど…」。ことしは後にドジャースタジアム(ロサンゼルス)、フェンウェイパーク(ボストン)も訪れたが、メッツのシティ・フィールドが今のところ一番のお気に入り。

遠征はホテルと民泊で

シャーロットの悲劇…5月に男子メジャー第2戦「全米プロ」の会場を訪れた

ニューヨークを旅した後、竹田は初めて米国男子ツアーに足を運んだ。5月のメジャー「全米プロ」で松山英樹を中心に多くのプロの姿を観戦。「ショートホール(パー3)が長いなあって。あと、ギャラリーが多くて、人気選手は見づらかったですね」

ところで、遠征中の宿泊先といえば、コース近くのホテルか、レンタルハウスである。拠点を構える予定はいまのところない。最近はAirbnb(エアビーアンドビー)などのネット予約システムの充実で民泊がより手軽に。全米プロ観戦時、竹田は会場のあるノースカロライナ州シャーロットで一軒家を借りたのだが…、「“G”が出ました…。お風呂の排水も悪くて水が溜まっていくんです。エアコンも壊れていて、暑くて暑くて…」。2025年、栄えあるワーストの宿はこちらを認定だ!

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メキシコで髪を切る

メキシカンファストフードチェーンの「チポレ」。米国でお気に入りのお店のひとつに(提供画像)

翌週は初めてメキシコへ。岩井千怜が優勝した「リビエラマヤオープン」に出場した。安全面を考えて、外には出歩かなかったのだが…トピックスがひとつ。トレードマークのロングヘアを4cmほど自らハサミで切り落とした。

中南米の暑さにイラついたわけではなく、予選落ちを悔やんだわけでもなく、スイングのフィニッシュで伸びた毛先が顔にかかるのが気になっていたらしい。美容室にふらっと行けないのも海外遠征ならでは。「あの後、日本で美容室に行ったら、『本当にやめてください。すごく斜めになってますよ…』って言われて。もう自分で切るのはやめました」

名コンビ誕生

山下美夢有と一緒にダウ選手権でタッグ

6月初めのメジャー第2戦「全米女子オープン」を2打差の2位で終え、第3戦「KPMG全米女子プロ」は23位。メジャーでも存在感を示すと、翌週の「ダウ選手権」でゴールデンルーキーがコンビを組んだ。昨年、日本ツアーで年間女王の座を争った山下美夢有とペア戦に出場した。

ライバルから戦友へ(提供画像)

2つ年上の先輩とは「去年はあまりしゃべったこともなかったんです。うまいし、強いし…とは思っていたんですけど。組むことで緊張したというよりは、ペアでプレーするのが初めてだったので、どうしたらいいんだろう…という感じでした」。そもそも2人のタッグが決まったのは3月、アリゾナでの試合期間中。練習場で山下のキャディ、ジョン・ベネット氏の「組んでみたら?」という何気ない誘いがきっかけだったという。

「美夢有さんはスキがない」

山下さんってどんな人? 「性格がめっちゃしっかりされている方です。スキがない、突っ込みどころがないというか。どちらかというと、私が『こうじゃない?』、『こうやで!』って言われるタイプですね(笑)」。ふたりのペアは話題十分。しかも、「日本ツアーのトップ2」という強烈な看板とは裏腹に、竹田が名付けたチーム名が、なんだかゆる~い雰囲気を演出した。

「山下の“山”と竹田の“田”を足して、チーム名は“山田”です」――。

チーム名は「“山田”です」 竹田麗央の光るセンスに山下美夢有が爆笑

オフシーズンに地元・熊本へ

「前の週までにチームの名前と、テーマ曲を考えるんですけど、2人でそれぞれ決めようという話になったんです。名前の方が決めるの難しいじゃないですか。そうしたら、美夢有さんに先に『曲、決めるわ!』って言われて…」。山下はファンクラブにも入っているMrs. GREEN APPLEの楽曲から『StaRt』をチョイス。必然的に後輩がチーム名に頭を悩ませることになった。

実は竹田は“山田”以外の案を用意していたという。

「“ミ”ユウと“リ”オ。お互いスリクソンの道具を使っているので、“ミリクソン”です」――。

秋の国別対抗戦でもコンビネーションが光った(Yuichi Masuda/Getty Images)

山田、ミリクソン、先輩はどちらの名前にも爆笑した。「私はミリクソンにはちょっとピンと来ていなくて、山田の方がイイなと思っていたら、美夢有さんも『山田で行こう』と言ってくれたので」

8月の「AIG女子オープン」(全英女子)では互いに優勝争い。10月の国別対抗戦「インターナショナルクラウン」でも日本代表として息の合ったプレーを見せるとは、この時点では誰も知る由もなかった。ライバルは、時として戦友に。ゴルフの魅力のひとつでもある。