ヤクルトから世界へと羽ばたく村上(C)産経新聞社 真夜中の日本を驚かせるビッグニュースとなった。現地時間12月21日、今…

ヤクルトから世界へと羽ばたく村上(C)産経新聞社

 真夜中の日本を驚かせるビッグニュースとなった。現地時間12月21日、今オフにヤクルトからポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍を目指していた村上宗隆が、ホワイトソックスと2年総額3400万ドル(約53億7000万円)で契約合意した。

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 意外な決着だった。ポスティングの正式公示以降で関心が飛躍的に高まった「和製ベーブ・ルース」を巡っては、複数球団が水面下で獲得を模索。一部の米メディアでは、最大総額2億ドル(約308億円)超えの超大型契約締結も囁かれたほどだった。

 しかし、45日間に及んだ交渉は停滞。期限まで残り2日となった段階で、MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者が、「関係者の話」としてホワイトソックスとの交渉を伝えるまでは、全くと言っていいほど具体的な情報は流れなかった。

 長期契約も見込まれた中での短期契約、それも3400万ドルという契約規模は決して大きくはない。2億ドルと予想されたポスティング時の“下馬評”を加味しても、かなりの価格低下と言える。

 もっとも、そのオファー内容が「妥当」と見る向きもある。米スポーツ専門局『ESPN』のブラッドフォード・ドゥーリトル記者は、ホワイトソックスと村上の電撃契約を「A+」と高評価している。

 静寂が続いた村上獲得を巡る市場の動きについて「ムラカミの移籍先に関する具体的な噂はほとんどなかった」としたドゥーリトル記者は、「パワーが脅威となる選手が少なかった今年のFA市場において、彼ほどの評価が飛び交う選手を、チームは敬遠しているようだった」ともリポート。打撃の確実性に対する不安が球界関係者間にあったとした。

「我々が下した初期段階の予想(5年8000万ドル)は、決して的外れではなかった。むしろ、メディア内での大半の予想は、その水準、あるいはそれ以上に高額だった。しかし、ムラカミに灯っていた“危険信号”が、明らかに各球団を怖がらせた。彼は1ツール、もしくは2ツールの選手だが、唯一際立った武器である桁外れのパワーは秀でているものの、それ以外の業界内での評価は平均以下だった」

 それでも今回の2年契約を「トライアル」と評したドゥーリトル記者は、こう続けている。

「ホワイトソックスにとって、ムラカミとの契約は、調整次第でメジャーでもトップクラスのパワーを発揮できる選手を長期にわたって試す機会となる。もちろん十分な適応期間を与えた上で、パワーを発揮させられればの話だが、この金額帯ならば、十分に価値あるプロジェクトだ。仮に成功すれば、獲得に二の足を踏んだ多くの球団がムラカミの『できないこと』ではなく『できること』にもっと注目すべきだったと後悔するだろう」

 勝負の2年間でどれだけ声価を高められるか。令和の三冠王の活躍に熱視線が注がれそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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