ディベイニーは高い守備力も評価されている(C)Getty Images 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点…

ディベイニーは高い守備力も評価されている(C)Getty Images
野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回は阪神のオフの助っ人補強をクローズアップする。
目を向けたのは“打てるショート”として期待が高まる、前パイレーツ内野手のキャム・ディベイニーだ。
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今季3Aで20本塁打を放ち、マイナー通算85本塁打を記録している右の強打者。内野は全ポジション、特に遊撃、三塁を主とし、左翼もこなせるユーティリティーさも持ち合わせている。
チームは今季の遊撃ポジションにおいては小幡竜平と木浪聖也、熊谷敬宥らが出場し、いずれも打率.250超えを果たした選手はおらず。レギュラーに定着した選手は出てこなかった。また1-5番が固定で安定したパフォーマンスを示すのに対して、下位打線充実のためにも「打てる遊撃」の存在が求められていた。
佐野氏はディベイニーに関して「最低でも100試合は出てほしいというところはありますね」とキッパリ。攻守で躍動した姿を見せ、チームの活性化を図るためにも一定数の試合が必要という見方を示した。
また守備においては「天然芝と違って、土のグラウンドなので、どれだけのハンドリングができるかどうか。そこは注視しないといけないですね」と分析した。
その上で打撃面で求められる数字に関しても言及。
「チームをアップグレードするためには打撃を期待されているので、そこは見てみたいですね。打率.270は打ってほしい」と目指すリーグ連覇のためにも、高い目標を掲げた。
当然新助っ人投入でし烈なポジション争いも予想されるが、ナインたちが切磋琢磨する姿勢こそ指揮官の望むところだろう。
ほかにもチームでは魔球といわれる変則スライダーの使い手として注目される右腕リリーバー、ダウリ・モレッタの獲得と着実にチーム課題を埋めてきている。
今季は就任1年目でぶっちぎりの優勝を飾った藤川球児監督がどんな形で選手たちの背中を押していくのか。猛虎ファンも楽しみにしている。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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