西に力の入った女子チームが誕生した。 山口は長門。海と自然に恵まれた土地に、女子ラグビーの種が蒔かれた。 11月13日に都内のホテルで開かれた「ながとブルーエンジェルス」発足記者会見で、同チームをサポートするヤマネ鉄工建設の山根正寛社長は…

 西に力の入った女子チームが誕生した。
 山口は長門。海と自然に恵まれた土地に、女子ラグビーの種が蒔かれた。
 11月13日に都内のホテルで開かれた「ながとブルーエンジェルス」発足記者会見で、同チームをサポートするヤマネ鉄工建設の山根正寛社長は、女性の立場が弱い日本の社会に変化を起こしたい思いをこう話した。
「私たちのチームが活躍することによって、日本の社会が女性にとって男性と変わらぬチャンスに恵まれる環境に変わっていく一助になれば」
 同社長にプレー経験はない。しかし、ラグビーと女性の持つ力に大きな可能性を感じている。

 山口県の日本海側に位置する長門市は、花園出場28回(大津高校時代も含め)を誇る大津緑洋高校があるところで、古くから楕円球文化が根付いた街だ。2019年ワールドカップのキャンプ地にも立候補している。
 しかし山口県全体を見渡せば、以前と比べ、ラグビー熱は下がっている。
 そんな空気をもう一度熱く。
 それも、ながとブルーエンジェルスの設立理由のひとつだ。将来的にはジュニア層が参加できるチームも作り、ワールドカップ後もラグビーカルチャーのある街であり続けたい。

 2018年シーズンに太陽生命ウィメンズセブンズシリーズに参戦。
 2019年に同シリーズで優勝。
 そして、2020年の東京五輪でオリンピアンを輩出する。
 目標を明確に定めるチームは、11月18日、19日におこなわれる同シリーズの入替戦が初陣となる(日体大健志台G)。ニュージーランド(以下、NZ)の選手を8人含む14選手で戦いに臨む。
 その準備のため、11月1日からNZで合宿をおこなってきた。入替戦には、リオ五輪出場のサクラセブンズに選ばれた冨田真紀子(前世田谷レディース)も同チームのメンバーとして登録(スポット参加)。元男子NZセブンズ代表選手で、セブンズチームの指導経験もあるエドウィン・コッカー氏をヘッドコーチに迎え、激戦が予想される戦いを勝ち抜くつもりだ。

 発足記者会見には、カラフルなジャージーを着た2選手も登場した。デザインしたのはアニメーション監督の前田真宏氏(株式会社カラー)。エンブレムは、長門の美しい海から飛び出した7人の天使をイメージしている。
 以前はRugirl-7に所属していた福田千夏とともに登場した元女子セブンズNZ代表のヘーゼル・トゥビックは、「新しい経験をしたいと思い、決断しました。(女子セブンズの環境を考えると)NZに比べ、日本で得られる経験の方が大きい」と話した。
 ながとブルーエンジェルスのチーム名は、公募により寄せられた179案の中から選ばれた。ハイパフォーマンスディレクターを務める村杉徐司氏はRugirl-7での指導経験がある。