<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇東京・代々木第一体育館◇女子フリー全日本選手権4度出場の江川マリア(22=…

<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇東京・代々木第一体育館◇女子フリー

全日本選手権4度出場の江川マリア(22=明大)が21日、今季限りでの現役引退を表明した。来年4月からは米国の豪華客船「ユートピア・オブ・ザ・シーズ」の船上スケーターとしてプロに挑戦する。

SP9位で出た江川は、フリー122・53点で合計187・29点。強化してきたフリップ-トーループの連続3回転や幅のあるダブルアクセル(2回転半)など、全7本のジャンプを全て降りきった。

演技後はあふれる思いがこらえられなかった。「今年は集大成という気持ちで挑んでいた」と涙ながらに告白。現役最後の全日本を終え、「今日はやりきるという強い気持ちで臨んだ。満足の演技ができたので、やりきったという確信になった」と振り返った。

今後は年明けの日本学生氷上競技選手権(インカレ)などに出場し、ラストダンスは3月に地元福岡で行われるローカル大会となる予定。「個人競技だけど1人では絶対にできない競技だと思っている。そのことを一番に学ばせていたので、これからの人生も忘れないようにしたい」と感謝を込めた。

プロスケーター高橋大輔が手がけるアイスショー「滑走屋」の出演を通してショーへの思いが高まったという。来年4月からは米フロリダ州発着のクルーズ船で、新たなキャリアを踏み出す。「たくさんの人を笑顔にしたい」と描いた。

福岡市東区生まれの大学4年生。5歳の時に浅田真央さんに憧れて競技を開始した。地元のパピオアイスアリーナのスケートクラブで中庭健介コーチらの指導を受け、22年に大学進学を機に上京。中井亜美や渡辺倫果らが所属する千葉・船橋市のMFアカデミー研さんを重ねてきた。明大1年時の22年から4年連続で全日本に出場。23年は11位に入っていた。【勝部晃多】