毎年のように売り上げが話題となる有馬記念だが、過去最高を記録したのが96年である。このレースに連闘で挑み、3着に激走…

 毎年のように売り上げが話題となる有馬記念だが、過去最高を記録したのが96年である。このレースに連闘で挑み、3着に激走したのがマイネルブリッジ。29年前の懐かしの一戦を振り返ろう。

 この年の有馬記念はサクラローレルが主役だった。天皇賞(春)でGI初制覇を果たし、秋の始動戦となったオールカマーも快勝。続く天皇賞(秋)はスムーズさを欠いて3着に終わったものの、雪辱を期すグランプリでは単勝2.2倍の1番人気に推されていた。

 実際にレースはサクラローレルの横綱相撲だった。中団で脚をためて、勝負所でジワッと進出。直線に向くと一気に抜け出し、2馬身半差の完勝を収めたのだ。そんな中、穴党を沸かせたのが14頭立ての最低人気だったマイネルブリッジである。前週のディセンバーS(3着)からの果敢な参戦。天皇賞(秋)で最下位の17着に敗れていたので苦戦必至と思われたが、主戦の坂本勝美騎手とともに、生涯一ともいえるパフォーマンスを見せた。中団前でロスなく運び、直線でも粘りの走り。2着のマーベラスサンデーに半馬身差まで迫る3着に食い込んだのだった。

 84年のグレード制導入以降、連闘で有馬記念に出走した馬はわずか4頭しかいない。古い方から順に92年のダイタクヘリオス(12着)、96年のマイネルブリッジ(3着)、04年のユキノサンロイヤル(10着)、そして15年のトーセンレーヴ(6着)。もちろん馬券に絡んだのはマイネルブリッジの1頭だけである。世界の競馬史上最高となる875億104万2400円を売り上げて、ギネス世界記録に認定された一戦。そんな中でマイネルブリッジが成し遂げた「偉業」も覚えておいていただきたい。