時折、ジョシュアの脚に絡みついて何とか難を逃れようとしたジェイク(C)Getty Images 世間の耳目を集め続けてき…

時折、ジョシュアの脚に絡みついて何とか難を逃れようとしたジェイク(C)Getty Images
世間の耳目を集め続けてきた“お騒がせYouTuber”の戦いぶりに非難の声が飛んだ。
物議を醸したのは、現地時間12月19日に米フロリダ州マイアミのカセヤ・センターで行われたボクシングのヘビー級8回戦。お騒がせYouTuberとしてカルト的な人気を誇るジェイク・ポール(米国)は、元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者アンソニー・ジョシュア(英国)に6回TKOで敗北した一戦である。
【動画】お騒がせYouTuberがグロッキー状態に 相手の顎を粉砕したジョシュアのKOシーン
米動画配信大手「Netflix」が世界にライブ配信をし、国際的な関心を集めていた、いわば“メガマッチ”を前に「俺が世界に衝撃を与える」と豪語していたジェイク。しかし、いざ蓋を開けてみれば、元世界王者を前に成す術を見出せずに防戦一方に。ラウンドを重ねるごとにプレッシャーを高めるジョシュアに対して、明らかに逃げ回ったり、強引にクリンチをする姿だけが悪目立ちした。
あまりに弱腰な“凡戦”ぶりに、会場からブーイングが響いた。6回にジョシュアの強烈な右ストレートが顎をクリーンヒットし、この日4度目となるダウンを喫したジェイクは立ち上がれずにKO負け。それでも試合後のフラッシュインタビューでは「俺は全力を尽くしたし、最高だった」と胸を張った。
どこかやり切った表情を浮かべたジェイク。しかし、期待を裏切る内容に周囲はしらけムードだ。英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』は、日本を含めて国際的に発信された今回の一戦を「6ラウンドに及ぶ茶番劇」と表現。そして「必死にパンチを繰り出すジョシュアに対して、“問題児”(ジェイク)は懸命に逃げ回るのがやっと。まともに試合に臨もうともしなかった」と敗者となった男の戦いぶりを皮肉った。
一方で批判的な声は、勝者にも向けられている。英紙『The Telegraph』は「ジョシュアは、マイアミでジェイクを止めるのに6ラウンドも要し、恥ずかしい思いした」と指摘。ボクサーとしての地力で優る相手に粘られたジョシュアを痛烈に非難した。
「ヘビー級の世界チャンピオンに2度も輝いた英国人ファイターが、YouTube界のスターとして名声を博しただけの相手に対し、もっと早く試合を終わらせなかったという事実は、実に不愉快だ。ジョシュアはジェイクを何ラウンドも主導権を掴み続け、決して手を離さなかった。時折、ポールに対して手加減しているように感じられる場面もあったぐらいだった。
この試合はひどい試合だった。ジェイクが何度もリングに倒れ込み、レフェリーは彼に『観客はこんなクソみたいなものを見るために金を払ったんじゃない』とも言い放ったぐらいだ。少なくとも、こんな試合がオフィシャルマッチとして認可されたことについては、ボクシング界が真剣に検証し、見直すべきだ」
参戦選手のネームバリューや戦前のイベントなど話題が尽きなかった。しかし、双方に明らかな差があり、娯楽だけを追求した試合にスポーツとしての価値があるというのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「番狂わせの余地はない」名伯楽が警告 サウジでの井上尚弥vsピカソ戦に懸念の声「“怪物”を相手にできることは何もない」
【関連記事】井上尚弥への挑戦は「自殺行為」 無敗男ピカソの母国で広まる“怪物”の圧勝論「勝つのはほぼ不可能だ」
【関連記事】アフマダリエフ戦が“塩試合”にならなかった凄さ 元世界王者も驚く井上尚弥の底知れぬ潜在能力「あの男は本当に別格」【現地発】