今オフにMLB復帰を叶えたポンセ(C)Getty Images 今オフにKBO(韓国プロ野球)リーグからFAとなり、3年…

今オフにMLB復帰を叶えたポンセ(C)Getty Images
今オフにKBO(韓国プロ野球)リーグからFAとなり、3年総額3000万ドル(約46億円)でブルージェイズ入りが決まったコディ・ポンセ。31歳の右腕がメジャー復帰を叶えた背景にあるのは、やはり韓国球界での覚醒だ。
22年にパイレーツから日本ハムに入団したポンセは、2024年から楽天でもプレー。しかし、計3年間のNPB通算成績は10勝16敗、防御率4.54とピリッとせず。メジャー復帰は夢のまた夢と言っていい状況だった。
しかし、藁をもすがる思いで飛び込んだ韓国で彼は大ブレークを遂げる。ハンファで開幕から“無双状態”を維持したポンセは、KBO記録となる開幕15連勝の達成。最終的に17勝(1敗)、防御率1.89、252奪三振と投手3冠に輝くと、リーグMVPにも選出され、名実ともに最強助っ人なった。
韓国での成功が声価を高め、ブルージェイズとの契約に繋がったのは言うまでもない。ではなぜ、日本で鳴かず飛ばずだったポンセは覚醒したのか。それは他でもない本人の証言が明確している。
米野球専門ポットキャスト番組『Foul Territory』に出演したポンセは、「なぜ日本でも同じようにならなかったのか」と問われ、「最大の理由は家族みたいな雰囲気があるかないか。ファミリーであるかどうかだ」とキッパリ。日韓両球界の文化の違いが自身の成功に影響を及ぼしたと持論を展開した。
「韓国は年間でレギュラーシーズンが144試合ある。でも、全試合で全員がベンチに座るからケミストリーはより深まるんだ。状態がいい時も、悪い時も一緒にいるからね。チームメートがエラーを犯したら、ベンチで『大丈夫だ』と声をかけることもできる。韓国では全試合ベンチに座ることができた。でも、日本は違う。先発投手の場合にベンチに座られるのは登板をする日だけ。それ以外は試合前の練習を終えたら、家に帰る。だから(チームメートとの)関係性をあまり築けなかった」
日本のプロ野球において実際に試合出場ができるのは最大26人。ゆえに1軍登録を許されている31人中で登板予定のない先発投手がベンチから外れるのは常。そんなNPBの“常識”がポンセは馴染めなかったという。
また、彼は、米ポッドキャスト番組「Baseball is Dead」においても日本の野球観に対して、「毎日午後1時にグラウンドに出て、ストレッチして、何マイルもランニングして……。本当に色々やる。正直に言って、僕にとっては楽しくなかった。なんというか、『野球をやっている』という感じがしなかったんだ」と吐露。さらにNPBでの感じていた胸中を赤裸々に告白している。
「球拾いもないし、周囲との会話も楽しめないんだ。こっち(アメリカ)とは違う環境で仲間意識ってやつが恋しかった。例えば、『昨日に115球を投げたから今日は疲れてる』と伝える時に、『治療してもらえますか?』と言っても……理想的な形で伝わらない。スタッツと会話をして、必要なすべてを手に入れるようなことができなかったんだ。それが僕にとっては最大の後退した理由だった」
「最も自分らしくいられた場所」と語る韓国で恋しかった仲間意識を得て、飛躍したポンセ。純粋に野球に取り組めるようになった元助っ人は、確かな自信を掴んで母国に舞い戻る。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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