「ラグビー・全国大学選手権・準々決勝、京産大26-24東海大」(20日、ヤンマースタジアム長居) 準々決勝4試合が行わ…

 「ラグビー・全国大学選手権・準々決勝、京産大26-24東海大」(20日、ヤンマースタジアム長居)

 準々決勝4試合が行われ、京産大(関西2位)がラストプレーでの劇的な逆転劇で、東海大(関東リーグ戦1位)を26-24で撃破した。5連覇を目指す帝京大(関東対抗戦4位)は筑波大(同2位)に36-0で快勝。早大(同3位)は天理大(関西1位)を26-21で、明大(関東対抗戦1位)は関学大(関西3位)を46-19で下した。来年1月2日の準決勝(東京・国立競技場)は明大-京産大、早大-帝京大の対戦に決まった。

 ミラクル京産大が5大会連続で4強の扉を開いた。5点を追う終了間際。自陣で激しいFW戦となり、ボールを奪い取ったのは主将のフランカー伊藤森心だった。そこから敵陣に入り、残り時間は2分ほど。FWでゴール前へ迫り、最後はSO奈須貴大が突破し24-24の同点。逆転のゴールが決まった瞬間、ノーサイドの笛が響いた。

 広瀬佳司監督は「実力ある慶応に勝ってチームに結束力が生まれた。このまま終わりたくないので、国立(準決勝)に行くんだという流れになっていました」と喜んだ。初陣となった14日の慶大戦は残り3分で勝ち越されながら、終了間際のトライとゴールで40-36で勝利。再び、奇跡のような大逆転劇を起こした。

 一般入試から主将になった伊藤は、苦しい時間帯に右腕を見つめた。テーピングに「YD to the 国立」と記してあった。「YD」とはケガで欠場した副将の吉本大悟のことだ。「大悟を国立に連れて行くのが一つの目標でした。チームがうまくいかない時でも、規律をもたらしてくれたのが彼だった」

 スターはいない。広瀬監督は「今年はポテンシャルが落ちて、ここまで来られるか分からなかった」という。たたき上げの雑草軍団が起こした2度のミラクル。準決勝は関東対抗戦優勝の明大だ。初の決勝へ-。3度目の奇跡を起こしたい。