<全国大学ラグビー選手権:京産大26-24東海大>◇準々決勝◇21日◇ヤンマースタジアム長居京産大(関西2位)が東海大(…
<全国大学ラグビー選手権:京産大26-24東海大>◇準々決勝◇21日◇ヤンマースタジアム長居
京産大(関西2位)が東海大(関東リーグ1位)に劇的逆転勝利して5大会連続4強入りした。
主将のフランカー伊藤森心(もりし、4年=松山聖陵)は、負傷で出場がかなわなかったSO吉本大悟(4年=東海大大阪仰星)への思いを胸に80分間戦い抜き、ラストプレーで大逆転を成し遂げたチームを支えた。
試合前、右手首のテーピングに自ら「YD to the 国立」と記した。「YD」はともにチームを盛り上げてきた副将のイニシャル。「吉本大悟を国立に連れて行くのが僕の中の大きなテーマだった。大悟は春からハードワークしてくれて、うまくいかない時にも、規律やいろんな文化をチームに浸透させてくれた1人。彼が今けがで出られないっていうのは、彼が一番悔しいと思うし、大悟を国立に連れて行けたっていうのが本当にうれしい」。力強く書いた文字に目をやり、うなずいた。
練習中に左アキレス腱(けん)まわりを痛めて今大会欠場が続いている吉本は、チームメートの戦いを見守り「試合に出たかった気持ちが一番大きい。でも勝ってくれたので、本当に誇らしいし、本当に頼りになるなと思った」。伊藤のテーピングは試合後に見せてもらったといい「うれしかった。自分がこういう状況になっても、そういう思いでやってくれている選手がいるんだなと思った」と胸を熱くした。
26年1月2日に明大(関東対抗戦1位)とぶつかることになった準決勝に間に合うか、現状では不透明。それでも「自分の状態が戻るかわからないけど、できる限りすべての治療をしていきたい」と、京産大が歴史を塗り替える舞台を目指す覚悟を口にした。
大悟のために-。その思いで結束を強めた京産大が、12度目の挑戦で「4強の壁」を突破する。