2020-21年シーズンの国内ツアー賞金女王・稲見萌寧が20日、千葉県内で「日本生命 稲見萌寧 スナッグゴルフキッズレ…

2026年こそ復活優勝を

2020-21年シーズンの国内ツアー賞金女王・稲見萌寧が20日、千葉県内で「日本生命 稲見萌寧 スナッグゴルフキッズレッスン」を開催した。20年から日本生命保険相互会社と契約を結び、同社とタッグを組んで数々のイベントを行ってきた中でもジュニア向けは初めて。ゴルフ未経験者が多数を占めた小学生37人と触れ合い、「子どもたちに教えたりする自分がちょっと大人になった気分でした。みんな本当にエネルギッシュで、楽しんでもらえてよかった。ゴルフの輪が広がってくれれば」と笑顔で話した。

ゴルフの輪を広げるためにもまずは楽しんでもらうこと

稲見自身、ジュニア時代にスナッグゴルフの経験はなかった。それでも競技普及やスポーツそのものの楽しさを伝えるため、朝の会場設営にも立ち会うなどイベントづくりと真剣に向き合った。「やっぱり飽きないように、ずっと楽しめるように、というのは一番気にしました」。ショット用のランチャー、パッティング用のローラーという2種類のクラブをどう遊んでもらうか。ゲームでの対戦形式も取り入れ、保護者からも飛び入りの参加者を募って盛り上げた。

稲見萌寧はイベントに参加した小学生の首に銀メダルをかけて記念撮影

ジュニアへの思い入れの強さには原風景がある。「小学生の時、桃子さんが『子ども優先で…』と言ってくれたサインの列に私も並んでいたんです」。昨季限りで第一線を退いた上田桃子のファンサービスを体験したことが、トッププロとなった現在の行動にも大きく影響を与えているという。「桃子さんの背中を見て育って、引き継ぐじゃないですけど、私もそうしたいなって」。この日は21年「東京五輪」で獲得した銀メダルを会場に持参し、イベント後には参加した一人一人の首にかけてあげる大サービス。その重さに驚き、興奮する子どもたちの笑顔をうれしそうに見つめた。

ゴルフ未経験者が多くを占めたイベント

オリンピックで得た5年シードを行使して日本ツアーに復帰した今季はメルセデスランキング85位にとどまった。ショットメーカー稲見の強さを象徴する数字ともいえるパーオン率は、女王戴冠シーズンの75.7688%(部門別1位)に対して64.1897%(同75位)。納得の数字とはほど遠いものの、シーズンで3度あったトップ10入りがラスト5試合に集中と終盤にかけて兆しが見えたのも確かだ。

より柔軟に身体を使えるよう、12月からはプールトレーニングも取り入れた。「女子は結構(フィジカルの変化スピードが)早いので。やっぱり、年々変わっていく」。来年7月で27歳になる。トークショーでは「去年から料理にハマっています。もし子どもができた時には『おいしい』と言ってもらえるように」と笑ったが、もちろんコースでの完全復活を見据える。「来年は優勝。まず1勝できるように」と力を込めた。(編集部・亀山泰宏)

デモンストレーションでは子どもリクエストに応えるショットを披露 イベント会場には「東京五輪」で使用したキャディバッグも展示