DeNAの主砲として活躍をしたオースティン(C)産経新聞社 日米両球界を驚かせる契約となった。現地時間12月18日、スポ…

DeNAの主砲として活躍をしたオースティン(C)産経新聞社

 日米両球界を驚かせる契約となった。現地時間12月18日、スポーツ専門局『ESPN』をはじめとする複数の米メディアは、今オフにDeNAからFAとなっていたタイラー・オースティンが、単年125万ドル(約1億9500万円)に出来高が付帯するメジャー契約を締結したと一斉に報じた。

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 久々のメジャー復帰となる。2019年オフにDeNAに入団したオースティンは、故障に悩まされる期間も長かったが、2021年には28本塁打、OPS1.006のハイアベレージを記録。2024年には打率.316で首位打者を獲得するなどNPBで確かな実績を積み重ねてきた。

 在籍5年間でのオースティンのNPB通算成績は、打率.293、85本塁打、長打率.568、出塁率.377、OPS.945。故障がちで、シーズンを通した活躍が計算しずらい懸念点はあったにせよ、いわゆる「優良助っ人」と言えるだけのハイアベレージを叩き出していた。

 もっとも、現在34歳と決して若くはない。約6年ぶりにメジャー復帰を果たす上では、適応面での不安は少なくない。

 そうした中でなぜカブスかオースティン獲得に踏み切ったのか。シカゴの日刊紙『Chicago Sun Times』は「今オフのカブスは、投手陣の強化に重点を置いているものの、控え選手の強化も優先課題としている。右打ちのオースティンは、左打ちの一塁手マイケル・ブッシュと、左右のコンビを組むことができる。また、外野での経験も豊富だ」と指摘。球団の狙いは戦力の底上げであり、あくまでバックアッパーとしての算段を見込んでいるとした。

 また、各国球界の移籍情報を発信している専門サイト『MLB Trade Rumors』は「2019年以降、メジャーでプレーしていないオースティンは、健康問題も抱えているため、多少リスクのある補強と言えるだろう」と指摘。その上で「カブスにはブッシュのプラトーンの相棒が必要だった」とし、契約の価値を論じている。

「25年のカブスは40歳のジャスティン・ターナーを、右打者の一塁手、そして指名打者タイプとして600万ドル(約9億3600万円)で獲得した。彼はプラトーンの利点を活かして、右投手には打率.276、出塁率.330、長打率.429という成績を残したが、通算成績は打率.219、出塁率.288、長打率.314に留まった。

 おそらくカブスは、オースティンがターナーよりも若く、安くで、より成功することを期待している。仮に目論見が外れたとしても、カブスはMLBで最低水準に近い年俸しか払っていないため、経済的なリスクはそれほど大きくない。ここでオースティンがNPBでの成績のような結果を残せば、『お買い得』と言える契約になるだろう」

 メジャー球団に価値を見出された元NPB助っ人は、野球の本場で成功を掴むのか。その活躍に関心は高まっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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