NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第2節（リーグ…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第2節（リーグ戦）カンファレンスA
2025年12月21日（日）14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 浦安D-Rocks
埼玉パナソニックワイルドナイツ（D1）
埼玉パナソニックワイルドナイツの萩原周選手。今季は出場機会が増えるか
「絶対に聞かれると思ったわ～！」
そう言って、屈託なく笑った。
ホストゲーム開幕戦で埼玉パナソニックワイルドナイツ（以下、埼玉WK）の9番を託されたのは、入団2年目の萩原周。対戦相手は浦安D-Rocks。トイメン（対面）に立つのは、明治大学の2学年先輩・飯沼蓮だ。
冒頭の言葉は、その飯沼“先輩”との対戦について問われた際の一言だった。大学時代は飯沼が先発、自身はリザーブという関係性。「抜きたい存在」だった相手との再会に、「意識してしまうかもしれない」と率直な思いを明かす。
「スクラムのときとか、いらんことしてきそうですね。でもテンポとスキルでは負けたくない。自分のプレーに集中します」
リーグワン初対決を前に、覚悟を表情に宿した。
萩原がラグビーを始めたのは小学1年生の終わりごろ。家に転がっていた小さなラグビーボールがきっかけだった。そして昨年、日本代表スクラムハーフを数多く輩出してきた埼玉WKへとたどり着く。
ここでの最大の学びは『自主練習』にある。
全体練習が決して長くない埼玉WKだからこそ、問われるのは個々の準備力。対戦相手に応じた戦術理解、パスやキックの精度。自らを磨き続けなければ、ジャージーは手にできない。
だからこの冬、新たな自主練習のメニューを取り入れた。デッドボールラインに並べたボールを手でポールカバーへ放ち、トライラインまで走って体を芝につける。立ち上がればすぐ次のボールへ。それを十数回繰り返す。
「試合中、しんどい状況でも精度を落とさないためです」
週初めの練習終わりに、自身へ課すフィットネスだ。
チームには学ぶべき先輩も、刺激を与え合う後輩もいることが刺激となる。
「タイキさん（小山大輝）は本当に信頼されるプレーをしている。ディフェンスを一番学んでいます」
1年後輩の李錦寿についても「怖い存在」と口にする。群雄割拠のスクラムハーフ陣に、慣れ合いはない。
その競争の中で、自身は何を目指すのか。そう問いかけると、萩原は少し考えてから答えた。
「キンさん（金沢篤ヘッドコーチ）やバンジー（ベリック・バーンズBKコーチ）に信頼されることです」
信頼とは目に見えない。だからオフザボールで走り、タックルを重ねる。地味だが欠かせない仕事の積み重ねの先に、信頼があると信じる。
「東芝ブレイブルーパス東京戦、僕は5分しか出ていません。自分はほかのメンバーより元気なので、しっかり走ります」
覚悟の背番号9をまとう。
（原田友莉子）
