プロボクシング世界IBF世界フライ級王者の矢吹正道(33=緑)が19日、名古屋市内の所属ジムで現役世界王者とのスパーリン…

プロボクシング世界IBF世界フライ級王者の矢吹正道(33=緑)が19日、名古屋市内の所属ジムで現役世界王者とのスパーリングを公開した。

27日に同級1位の元世界王者フェリックス・アルバラード(36=ニカラグア)との初防衛戦(愛知県国際展示場)を控え、この日はIBF世界ライトフライ級王者のタノンサック・シムシー(25=グリーンツダ/タイ)とスパーリング。4ラウンドが行われ、終了間際には激しい打ち合いをするなど順調な仕上がりを披露した。

今年3月にIBF世界ライトフライ級王座を保持したまま、IBF世界フライ級王者アンヘル・アヤラ(メキシコ)に挑戦し、12回TKO勝ち。日本人初の2階級同時制覇王者となった矢吹は、同4月にライトフライ級王座を返上し、フライ級への正式転向した。今回は約9カ月ぶりの試合となる。

今回タノンサックをスパーリングパートナーに選んだのは、苦手な印象があったから。「スピードがある選手だし、現役の世界チャンピオン。アグレッシブで嫌なイメージもあったので」と、矢吹側からオファー。22年9月にノンタイトル10回戦で対戦し、矢吹が7回TKO勝ちして以来の再戦では、5日間で26ラウンドを行い、アルバラード戦への集中力を高めた。

アルバラードの印象を「アグレッシブ、スタミナがある、タフ。ボクシングにおいてすごい重要な3つを持った選手」と話した矢吹は「間違いなく打ち合いになると思うし、苦戦すると思う」と試合をイメージ。決着は「間違いなくKOになる」と断言した。

ただ勝つだけでなく、観客を楽しませて勝つこと意識してリングに上がる。矢吹は相手の戦い方も踏まえ「接近戦というか、くっついてくるイメージがある。頭を下げてゼロ距離になって、ぐちゃぐちゃするようなイメージ。そうなったら見栄えも悪く、お客さんもつまらなくなる可能性があるので避けたい。自分が程良い距離を保ちたい」。王者らしい戦いでのKO勝ちでベルトを守ることを誓った。