これまでのレッドブルの経緯を考えれば、ハジャーも苦労は避けられないだろう(C)Getty Images 今季レーシングブ…

これまでのレッドブルの経緯を考えれば、ハジャーも苦労は避けられないだろう(C)Getty Images

 今季レーシングブルズからF1デビューを果たしたアイザック・ハジャーは、トータル51ポイントを獲得するという充実のルーキーイヤーを送った。第15戦オランダGPでは初めて表彰台にも登っており、シーズンを通し発揮された高いパフォーマンスが認められたことで、来季でのレッドブル昇格が決定。トップチーム入りを果たす2026年は、さらなる飛躍が期待されるとともに、F1キャリアにおける大きなチャレンジのシーズンでもある。

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 マックス・フェルスタッペンのパートナーに位置付けられるレッドブルのセカンドシートは、多くのドライバーが苦戦するポジションとしても知られている。昨季は、ベテランのセルジオ・ペレスが苦戦し退団に追い込まれ、今季、リアム・ローソンと角田裕毅が座るも、多くのレースで下位に沈んだ。いずれも、自身の実力を満足に発揮出来ないまま、その座を失う結果となった。

 来季、チーム入りを果たす21歳の先行きを不安視する反応もすでに伝えられている。英メディア『F1OVERSTEER』が12月18日、ハジャーがレッドブルで“生き残る”ためのポイントを論じる特集記事を配信している。その中で同メディアは、レッドブルのセカンドドライバーという立場を、「近年のF1において、最も危険な役回り」と評しており、今季はマシンに多くの問題を抱えていたと説きながら、「ツノダはアップグレード後も苦戦が続いた」と振り返った。

 トピック内では、元F1ドライバーのティモ・グロック氏の見解として、角田とローソンとも、マシンの問題以前に、「精神的に崩れていった」という主張を伝えている。エースドライバーを優先させるというチーム構造に加え、フェルスタッペンとの差に直面し重圧や迷いが生じていたとして、「問題の多くはメンタル面に起因していると思う」とグロック氏は指摘。「リアム・ローソンのケースでも、ツノダのケースでも同じだった」などと説いている。

 また同メディアは、来季のハジャーについて、「フランス人ドライバーが精神的スパイラルに陥る余地は残されていない」とも見込んでおり、与えられる役割にも言及。コンストラクターズポイント獲得への貢献が必要であるとして、「ハジャーには4度の世界王者に近づくことが求められている」と強調する。

 その上で、新たにレッドブルで走るための指針として、同メディアは以下の様な持論を綴っている。

「ハジャーは感情的になりやすいことで知られており、チームメイトに対してペースで劣る状況では、それがさらに重荷となる。プレッシャーに飲み込まれず、フェルスタッペンと自分を比較するのではなく、自身の仕事に集中しなければならない」

 さまざまな重圧を背負い、F1キャリア2年目を戦うことになるハジャー。まさに、ドライバーとしての真価が問われるシーズンとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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