今週の土曜日は、中山競馬場でターコイズステークス(GIII・芝1600m)が行われます。 過去10年のターコイズSは…

 今週の土曜日は、中山競馬場でターコイズステークス(GIII・芝1600m)が行われます。

 過去10年のターコイズSは、初角10番手以内の馬が8勝2着9回3着7回となっています。スタートからある程度の位置につけられる馬が有利ということが言えるかもしれません。

 データ対象のターコイズSはすべて中山芝1600mで開催されています。中山は直線距離が310mとそれほど長くはありません。また、冬の中山の開幕3週目で馬場の傷みが少ないことも、後方一辺倒の馬が苦戦する要因として考えられます。

 ただ、実際のレースでの位置取りは始まってみないと分かりません。そこで、過去10年のターコイズSでの前走初角位置に注目してみます。過去10年のターコイズSで前走初角を10番手以内で通過した馬は8勝2着10回3着6回。実際のターコイズSでの初角位置と似た数字になります。

 このことから、前走の時点でスタートからある程度のポジションで運べている馬の方が好走する可能性は高いと言えそうです。今年のターコイズSでも前走の初角位置に注目してみると、意外な馬が狙い目になる可能性もありそうです。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
前走初角11番手以下で上がり3位以下(ただし、前走1400m以下の馬は除く)
[0-0-0-11]複勝率0%
該当馬:キタウイング、ビップデイジー、フィールシンパシー、ホウオウラスカーズ、ボンドガール、ランフォーヴァウ
(過去の該当馬:23年ヒップホップソウル2番人気8着、15年ディープジュエリー2番人気6着、15年ノボリディアーナ3番人気7着)

※特に言及のない限り、データは過去10年のターコイズS(オープン特別を含む計10レース)を対象にしています。

 上位人気が予想されるビップデイジーが該当しました。

 過去10年のターコイズSで苦戦が続く、前走初角11番手以下の馬ですが、前走の上がり2位以内の馬や、前走1400m以下だった馬であれば好走する可能性があります。

 前走で上がり2位以内の脚を使っている馬について、切れ味に優れたタイプと言えますし、展開次第で上位に食い込む可能性があるのでしょう。また、前走が1400m以下だった馬については、1600mに距離が延びることで前走よりもいい位置で運べる可能性が高いため、好走する馬が出ていると考えられます。

 しかし、前走の初角を11番手以下で通過し上がりが3位以下。そして、1400m以下ではなかった馬については、好走する材料に欠けることから結果が出ていません。

 該当馬に挙げたビップデイジーは前走初角を11番手で通過し上がりは3位以下。そして距離は2000mとなっています。近3走は1800m以上でも後方になっていますし、今回は1600mへの距離短縮でさらに位置取りが悪くなる危険性があります。上がりに関しても近走は目立っていませんし、人気ほどの信頼はしづらいというのが正直なところです。

 また、本馬の父サトノダイヤモンドの産駒が中山芝1600mで苦戦しているのもマイナス材料です。これまでサトノダイヤモンド産駒は中山芝1600mで[2-2-0-30]となっており、勝率や複勝率などは低くなっています。また、単勝回収率54%、複勝回収率42%とこちらも低調になっていますので、ビップデイジーは血統的にも今回の条件は向かない可能性が高そうです。

 これだけの不安要素があるならば、本馬の評価を落とした方が期待値としては高くなるはずです。ターコイズSはハンデ戦で高配当決着になりやすいこともありますし、不安のある人気馬については軽視した方が得策と言えるかもしれません。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。