生き残りを懸けて猛アピールを続けた角田(C)Getty Images 悔しさが募る1年が終わり、角田裕毅はF1ドライバー…

生き残りを懸けて猛アピールを続けた角田(C)Getty Images

 悔しさが募る1年が終わり、角田裕毅はF1ドライバーではなくなった。

 去る12月7日(現地時間)にヤス・マリーナ・サーキットで行われた、F1の今季最終戦となるアブダビGPで、ポイント圏外の14位に終わった角田。来季からのテスト兼リザーブドライバーへの配置転換が正式に決まった中での“ラストラン”は、無念の結果に終わった。

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 第3戦日本GP直前、開幕からセカンドドライバーに抜擢されたリアム・ローソンとの入れ替えで、レッドブルのシートを得た角田。電撃的な形で始まった2025年シーズンだったが、獲得したポイントはわずか33。レーシングブルズ時代とは異なり、操作困難とされるマシン『RB21』への適応、そしてエースであるマックス・フェルスタッペンが“優遇”されるチーム事情にフィットしきれなかった感は否めない。

 もっとも、F1は結果が全ての舞台だ。最終的に421ポイントを積み上げたフェルスタッペンとの“差(388)”を考えれば、常勝軍団であるレッドブル陣営が、角田をラインナップから外すのも必然ではあった。彼らはレーシングブルズで異彩を放った新人アイザック・ハジャー、そしてF2を制した新星アービッド・リンドブラッドの可能性がより大きいと判断したのだろう。

 では、角田がこの先にF1に復帰する可能性は残されていないのか。オランダのモータースポーツ専門サイト『Racing News365』は「非常に難しい決断だった。レッドブルのセカンドシートは簡単なものではない。もちろん、我々はユウキをサポートするためにできる限りのことはすべて試した。しかし、ある時点で、この先の数年を見据え、難しい決断を下さなければならなかった」とするローラン・メキース代表の言葉を紹介。その上で来季中にふたたびシートを得る可能性があると分析した。

「ツノダは、不振のリアム・ローソンに代わって開幕2戦目でレッドブル昇格を果たして以来、1年を通して苦戦を強いられた。しかし、『ユウキにもう一度チャンスが与えられると信じている』と語るメキースの言葉は、昨今の急激なシート交代が、今のF1における状況変化の速さを示していると同時に、ツノダがどれほど早く戻れるかを示していると示唆している」

 角田をレーシングブルズ時代から寵愛してきたメキース代表。それだけに「ユウキにとっては挫折だ。もしかすると、後退とも言えるかもしれない。しかし、私は、彼には再びチャンスを掴むだけの大きな可能性が秘められていると確信している」と断言したメッセージに期待をせずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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