高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ東京1部(T1)リーグを初制覇したFC町田ゼルビア・ユース(U-18)が、今度はプ…

高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ東京1部(T1)リーグを初制覇したFC町田ゼルビア・ユース(U-18)が、今度はプリンスリーグ関東2部の参入戦に臨む。今季はトップチームが天皇杯でクラブ初タイトルを手にした中、下部組織も新たな歴史作りに挑んでいる。

町田ユースの中山貴夫監督(51)が18日、オンライン取材に応じ、「こういうチャンスを逃さずしっかり昇格したい」と誓った。20日午後1時半から帝京三高(山梨)と鹿嶋市ト伝の郷運動公園で対戦。勝ち上がれば22日の決勝(同会場)で常磐高(群馬)と成徳深谷高(埼玉)の勝者と戦い、ここでも勝利すれば昇格が決定する。

町田ユースはT1リーグ18試合で14勝(2分け2敗)を挙げた。総得点42、総失点13と内容でも断トツの1位だった。攻守のインテンシティーの高さを誇るトップチームとは異なり、ユースはボールを保持し、動かし、相手を揺さぶる。ゲームの主導権を握る魅力的なスタイルで勝ち上がってきた。

T1でチーム最多の13得点を記録したFW林夏生(3年)だけでなく、どこからでも得点が取れるチームに仕上がった。中山監督は「我々が目指すボールを持って主体性にサッカーをしていくということを、選手とともに1年間しっかり共有して戦ってきている。選手たちも落ち着いて臨めている」と手応えは上々だ。

帝京三高についても「スピード、パワーがあるチームだなとみていますし、サッカー的にもゴールに直結していくような攻撃が多いチーム」と分析。その上で「我々は自分たちの良さが出ることによって、相手のそういうプレー回数が少なくなっていくということろは重要」と勝負のポイントを挙げた。

普段から意識していることは、相手のやり方に対して同プレーしていくかということ。「要はスペースがどこにできるのか? ということを選手たちが判断できるような形でやっている」。当然、相手側からも町田ユースの戦い方は研究されていることも念頭に置いている。それでもボールを動かすことで相手をブロックにほころびを作り、空いたスペースを狙って進入していく。積み上げてきたスタイルに自信があるからこそ「自分たちで考えて問題を発見して解決する」と指揮官は泰然自若とした。

今回の決戦に向け、クラブもトップチームが使用しているクラブのエムブレム入りのバスで現地に乗り込む。自然と目線はトップチームの背中を見る。天皇杯を制し、日本一の栄冠をつかんだ。その同じエムブレムを背負うプライドにかけ、負けられないという思いは強い。

「トップチームが初の天皇杯優勝ということで、やはり目指すところはトップチーム。ユースの選手たちもカテゴリーを上げて近づいていこうという意識は強い。クラブの協力体制があるので責任も感じています」と、課されたミッションへの自覚を示した。【佐藤隆志】