井上との“サウジ決戦”に挑むピカソ(C)Getty Images 2025年を締めくくる大一番が間近に迫っている。 来る…

井上との“サウジ決戦”に挑むピカソ(C)Getty Images
2025年を締めくくる大一番が間近に迫っている。
来る12月27日(現地時間)にサウジアラビアのリヤドで開催されるボクシング興行「THE RING V:NIGHT OF THE SAMURAI(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」で、世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)が、WBC同級2位のアラン・ピカソ(メキシコ)を迎える防衛戦だ。
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プロキャリア31戦無敗(27KO)といまだ敗北を知らぬ井上は、今戦で年内4試合目とハードスケジュールをこなすわけだが、「やる事は抜かりなくやった」と自信は微塵も揺るがず。すでに“KO宣言”も飛び出している。13日に実施された公開練習では筋骨隆々の肉体を披露しただけでなく、鋭く、重いパンチを見せつけ、相当なコンディションの良さが伺えた。
対するピカソも準備は万端だ。百戦錬磨の傑物と対峙するにあたっては、「『卵を入れて、あとは適当に混ぜれば、ナオヤに勝てる』みたいなレシピはない」と公言。真っ向勝負ではなく、綿密な戦略を講じる意志を明らかにしている。
もっとも、周囲の逆風は強い。メキシコ国内でも「(ピカソが)イノウエのような“怪物”を相手にしてできることは何もない」(名物トレーナーのナチョ・ベリスタイン氏談)と、下馬評は井上の“圧勝”に傾いている。
無論、そうしたネガティブな意見はピカソも承知の上だ。相手は現在のボクシング界でナンバーワンの呼び声も高い怪物。「メキシコの東大」と言われるメキシコ国立自治大に在学する秀才だけに、一筋縄ではいかないことは分かりきっている。それでも地元メディア『IZQUIERDAZO』のインタビューに応じたピカソは、「むしろプレッシャーはイノウエのほうにあると思う」と豪語する。
「この試合で僕が失うものは何もない。だけど、彼は僕に対して全てを失う可能性がある。だからプレッシャーを感じているのは彼の方じゃないかな。僕の状態は良いよ。気分も良く、モチベーションもかなり高くなっている。だからメキシコの人々にも僕を信頼してほしい」
さらに「世界中に自分の名前を知ってもらって、忘れられない存在になりたい」と主張する25歳は、「たった一つの試合で、文字通り全てを手に入れるのは、僕にとって夢だ」と力説。井上とのメガマッチを目前にし、こうも続けている。
「この試合は7歳から続く僕の18年間のボクシング人生の成果でもある。そして同時に、父、母、兄弟、コーチ、そして僕を支えてくれたすべての人々の18年間の努力の証でもあるんだ。僕は、イノウエと対戦する上で他のことを一切考えずに、準備に100%専念してきた。だから、最高の状態にあると感じている。世界チャンピオンになりたいんだ。このチャンスは格別だよ」
事前予測は敗北が大半を占めている。それでも秀才メキシカンには、18年に及ぶボクシングキャリアで得た「全て」をぶつける覚悟で井上に挑む。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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