<2025ニッカン・フットボール・アウォーズ>(上)Jリーグのデータを独自の視点で分析して各賞を選出する、年末恒例「ニッ…

<2025ニッカン・フットボール・アウォーズ>(上)

Jリーグのデータを独自の視点で分析して各賞を選出する、年末恒例「ニッカン・フットボール・アウォーズ」を今年も開催します。

鹿島アントラーズのFW鈴木優磨(29)は、FW登録選手では最長の3262分に出場。全38試合に出場し、10得点5アシストをマークしてチームの9季ぶり優勝の原動力になりました。3季連続の2桁得点でJ1通算73得点。日本代表として国際Aマッチに出場したことのない選手の歴代最多得点記録を塗り替えました。【構成=石川秀和】

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鈴木は鹿島の9季ぶりリーグタイトル獲得に大きく貢献した。Jリーグのベストイレブンには選ばれなかったが、今季はリーグ戦38試合全てに出場して10得点5アシスト。出場時間3262分間は途中交代が比較的多いFW登録選手では最長。要注意選手として、被ファウル数はリーグ最多90回を数えた。

チームの勝利のため、全力疾走を繰り返した。時速25キロ以上で1秒以上走ったスプリントはチーム最多の466回。守→攻だけでなく、攻→守の切り替えの素早さも目を引いた。どちらに転がるか分からないようなルーズボールにも食らいつき、こぼれ球奪取数はチーム3位の84回。シュートに直結したラストパスはチーム最多43本で、2位のMF樋口雄太の25本を大きく上回った。

万能型FWはベルギー1部シントトロイデン時代の20-21年に17点を挙げ、欧州主要1部リーグにおける当時の日本選手シーズン最多得点記録を更新。鹿島復帰後も3季連続の2桁得点で、J1通算得点をMF中村俊輔に並ぶ歴代42位タイの73点に伸ばした。

ただ、実績十分のアタッカーでありながら日本代表には縁がなく、初選出された18年11月の親善試合はけがで不参加。その後も待望論が出ながらも代表のピッチに立ったことはなく、国際Aマッチ出場ゼロの選手の中でJ1通算73得点は歴代最多となった。

同じ鹿島で数多くのタイトルを獲得したMF野沢拓也の通算70点を上回り、広島で12、13年の連覇に貢献したFW石原直樹の71点を更新した。来年で30歳になる鈴木は今後、代表入りの機会があるかもしれないが、日本を代表するFWは鹿島のタイトル獲得に全力を傾ける。

◆プレミアリーグでは イングランド代表でのプレー経験がなかったFWケビン・キャンベルはアーセナル、エバートンなどで活躍してプレミアリーグ通算82ゴール。同代表のキャップ数0の選手の中ではリーグ歴代最多。エバートンでは初の黒人主将も務めた。