日本ハムのドラフト1位、明大・大川慈英投手(22)が、3人の大先輩の言葉を力に、プロの荒波を乗り越える。18日、母校常総…
日本ハムのドラフト1位、明大・大川慈英投手(22)が、3人の大先輩の言葉を力に、プロの荒波を乗り越える。18日、母校常総学院での凱旋(がいせん)歓迎会に出席した。日本ハムOBで恩師の島田直也監督(55)には、状況に応じた投球の大切さを伝授された。新庄剛志監督(53)からは2文字のDMが送られ気持ちが高ぶり、“鉄腕”宮西尚生投手(40)からは、長く活躍するための極意を、盗みとる。
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大川が母校で、恩師の教えをあらためて胸に刻んだ。97年に最優秀中継ぎ投手に輝くなど実績を重ねた島田監督には「練習試合の後などに“なんでああいう球を投げた”と、具体的な1球に対しての指導をしていただいた。そういう指導が今の野球観につながっている」と感謝した。同監督も「セットアッパーでもクローザーでも全部三振取ってやろうっていう印象がある。それだときついので、場面場面を考えたピッチングができればいいかな」と、アドバイスをおくった。
新入団会見後には、短くても極めて重みある指揮官の“メッセージ”が届いた。新庄監督に自身のインスタグラムのアカウントをフォローしてもらうと、すぐに「ボス」と、2文字のDMが届いた。大事な本人確認のメッセージと思われる。SNSでコミュニケーションを図る新庄式を体感し「感じる物がありました。本当にこのチームで戦うんだなという実感は、すごく湧きました」と、気持ちを高ぶらせた。
入団後は、球団屈指の“鉄腕”の生きざまを盗み取る。プロでの目標に「一番は、息の長い選手になること」と掲げた。チームには昨季、史上4人目の400試合登板を果たした宮西がいる。来季41歳、19年目になるベテラン左腕には「入ってから盗めるところは盗んで、自分の力にできたら」と思い描いた。
島田塾での教えを糧に新庄門下に加わり、プロで生き残るための宮西イズムを注入する。いずれも日本一を知る3人の“息吹”を体に受け、球界を代表する投手へと駆け上がる。【永野高輔】
○…大川のサインが完成した。名前の慈英を表す「Jay」のyの下の部分に大川の頭文字を示す「O」を表す輪を描く。そこから大川の「川」を表す「river」を崩した形で続けるデザインになった。「入団セレモニーが終わって、12月頭ぐらいに、自分で考えました」。早速、母校の後輩からサイン攻めに遭ったが、すらすら流れるように書きこんでいた。