ソフトバンクは18日、小久保裕紀監督(54)と28年までの3年契約を結んだことを発表した。来季が3年契約最終年だったが、…

ソフトバンクは18日、小久保裕紀監督(54)と28年までの3年契約を結んだことを発表した。来季が3年契約最終年だったが、リーグ連覇と5年ぶり日本一を達成した手腕が評価されて2年間延長。トータル5年の長期政権を保証した三笠杉彦取締役GM(51)も常勝軍団の継続を期待した。育成もテーマにどっしり腰を据え、リーグ3連覇と2年連続日本一に全力を注ぐ。

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小久保監督の長期政権が決まった。2年目終了後から球団と小久保監督で話し合い、来季から新たに3年契約を締結することで合意。みずほペイペイドーム内で取材に応じた三笠GMは「中期的な視点で2年連続日本一、(リーグ)3連覇へ集中してもらいたい。そういう観点でこのタイミングとなりました」と説明した。

当初は24年から3年契約。来季が契約最終年の予定だったが、就任1年目の24年は2位日本ハムに13・5ゲーム差をつけて独走優勝。今季は主力に故障者が続出しながら2連覇、5年ぶり日本一を達成した。プロ野球の発展に寄与した野球人に贈られる「正力松太郎賞」も受賞。契約最終年を待たずして28年まで指揮を執ることが決定した。小久保監督は「引き続き、王イズムの継承、最先端技術を取り入れた指導の下、強いチームをつくってまいります」と球団を通じてコメント。常勝軍団のさらなる継続に意欲を見せた。

成績だけではなく、球団側はマネジメント能力も高く評価した。城島CBOらフロントはもちろん、コーディネーター、コーチなどと明確に役割分担を決め、組織内での連携を強めた。10月に行われたドラフト会議も小久保監督は出席せずフロントに一任。三笠GMは「いわゆる日本の一般的な全権監督というわけではありませんが、しっかりご自身の職務を認識して連携した。任せるところはコーチに任せますし、フロントとの連携も」とうなずいた。

指揮官は強い組織を作るために現在も勉強に励んでいる。育成、底上げにも力を入れる。総帥の孫オーナーからもお墨付きを得た監督人事。リーグ3連覇はもちろん、4連覇、5連覇へと続く最強ホークスを目指す。【只松憲】

◆小久保裕紀(こくぼ・ひろき)1971年(昭46)10月8日、和歌山県生まれ。星林-青学大を経て93年ドラフト2位でダイエー入団。95年本塁打王、97年打点王。03年オフに無償トレードで巨人移籍。07年にFAでソフトバンクに復帰し、12年に現役引退。通算2057試合出場で2041安打、413本塁打、1304打点、打率2割7分3厘。青学時代に92年バルセロナ五輪で銅メダル。13年10月から17年3月のWBCまで侍ジャパン監督。現役時代は182センチ、87キロ。右投げ右打ち。

◆89年福岡移転後のホークスの長期政権 95~08年に王監督(現球団会長)が14年間指揮を執った。その間は3度のリーグ優勝と2度の日本一。09~14年は秋山監督が6年間指揮し、3度のリーグ優勝、2度の日本一。15~21年は工藤監督が7年間指揮し、3度のリーグ優勝、5度の日本一に輝いた。