全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が23日、東京体育館と京王アリーナTOKYOで開幕する。男女各7チーム…
全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が23日、東京体育館と京王アリーナTOKYOで開幕する。
男女各7チーム計14チーム出場の東北勢の中から注目校を2回にわたり紹介する。第1回は、男子は3年連続7度目、女子は5年連続5度目で、3年連続アベック出場となる福島東稜。男子主将・斎藤アリンゼ陽(はる)、女子主将の田部翔愛(かるあ、ともに3年)が全国の舞台を前に意気込みを語った。【取材・構成=高橋香奈】
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味わった悔しさを意味のあるものだと証明をする。今年6月には東北大会を制し、東北女王に輝いた。だが、その後インターハイ県予選では決勝で光南に66-68で惜敗。その1戦を田部は「あそこでもしも勝ってしまっていたら、改善しないままウインターカップに行けても全国で勝てるチームにはならなかった」と成長のきっかけとプラスに捉えた。
「自分たちに足りないのは決定力、もう1度走るバスケを作ろう」。チーム練習としては福島東稜の「走るバスケ」を見つめ直し、個でも練習後に自主的にシュート練習に励むチームメートが増えた。さらには、インターハイ予選までは限られた選手からだった声出しも、学年関係なくコート内外で威勢のいい声が響くようになり「1人1人が役割をもつことの意識も高まった」と手応えを示している。
武器も最大限に発揮する。「留学生も走るチームは全国の中でも少ない」と田部。リバウンド奪取後や攻守切り替え時の突破力で勝負していく。取りえの“元気”が生きたベンチワークも「見ていて楽しいと思います」とコート外でもプレーに活力を与えていく。
県内、東北では圧倒的な強さを見せるが、ウインターカップでの勝利にはまだ届いていない。昨年も鵠沼(神奈川)に58-76で初戦敗退。「毎年先輩たちの忘れものを取りに行くと言っているんですけど、勝ち切れないので…5度目の正直です。福島、東北代表としてもセンターコートに立ちたい」。悲願の1勝をつかみとり、その先の目標の景色を目指す。