プロボクシングWBA世界バンタム級王者堤聖也(29=角海老宝石)が18日、東京・豊島区の所属ジムで会見した。17日、東京…
プロボクシングWBA世界バンタム級王者堤聖也(29=角海老宝石)が18日、東京・豊島区の所属ジムで会見した。
17日、東京・両国国技館で同級暫定王者ノニト・ドネア(43=フィリピン)と団体内王座統一戦で判定勝利し、2度目防衛に成功。一夜明けた同日、約4時間にわたって病院で試合中に骨折した鼻骨の整形&縫合手術を受けた。
会見出席のため、病院からジムに直行した堤は「鼻が折れていて裂けていたので、(骨を)戻したり縫ったりした。本当はサングラスとかもしたいんですけど、ここ(鼻)に負担がかかるからしないでと言われたんで。ちょっと、悲しい姿で会見させていただきます」と苦笑した。
1週間後には固定したガーゼなどを取り除けるというが「全治とか言われていないですね。しばらくはゆっくりしたいですね」と率直な心境を明かした。試合後は故郷・熊本市から応援に駆けつけた家族と会ったから自宅に戻り、睡眠は3時間程度しか取っていないという。
ドネア戦勝利後の率直な感想として「本当に生き残れたなと。まだまだボクシングができるなという安堵(あんど)です」と口にした。4回に右アッパーで効かされながらも持ち前の粘りとスタミナで的確にパンチを繰り出して判定勝利。堤は「苦手なタイプというか、カウンターの怖さはずっとあった。いつものボクとしてはもっと殴りにいかないとな、という気持ちが試合中にあった。それを試合でさせてもらえなかった。向こうの経験値も感じた」と口にした。
世界に名を知られている元5階級制覇王者ドネアと拳を交えたこともしみじみを振り返った。堤は「すごく今後、全部が終わった後に振り返ってこの試合のことは心に残るだろうし。ドナという偉大な選手と世界戦で戦えたことはすごく財産だと思う」と感謝した。昨年10月の井上拓真(大橋)戦、今年2月の比嘉大吾(志成)戦、そして今回のドネア戦と激闘続き。ダイジェストで試合動画を見たという堤は「ちゃんとは見ていない。面白い試合だが、ボクサーとしての価値は上がらないのではないか」と淡々を振り返った。