女子プロサッカーWEリーグのAC長野パルセイロ・レディースが、ホームで20日午後2時キックオフの第14節、日テレ・東京…

 女子プロサッカーWEリーグのAC長野パルセイロ・レディースが、ホームで20日午後2時キックオフの第14節、日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦で、1万人の集客に挑む。

 運営会社によると、ホーム・長野Uスタジアムで高めの集客目標を設定するのは珍しくない。ただ、今回は当初スタッフが考えた目標5千人が、4月に就任した澁谷泰宏社長の提案で、1万人に引き上げられたという。

 集客作戦に選手も参画。18選手が小中学32校を訪れたり、街頭でポストカードを配ったりして来場を呼びかけた。

 当日はシンガー・ソングライターMACOさんのライブをハーフタイムなどに設定。選手監修のTシャツを小学生以下限定で先着1千人に贈ったり、雑貨やグルメのクリスマスマーケットを催したりしてイベント色を強める。

 澁谷社長は目標を引き上げた理由を「1万人の景色を選手たちに見せたいから」と説明する。5千人の目標では、約1万5千人収容のスタジアムで選手からみえる景色があまり変わらないと考えたという。

■今季平均は998人

 高い目標を掲げることで、クラブ全体が当事者意識を持つ効果もねらった。スポンサー企業や小中学校にお願いに訪れた際は、物おじせずに話す選手たちのコミュニケーション能力の高さが発見だったといい、「男子チームの選手に学んでほしいくらい」だという。

 それでも1万人は高いハードルだ。

 パルセイロ・レディースのホーム戦は、WEリーグの前身、なでしこリーグ時代の2016年5月に6733人を集めた記録がある。しかし、今季のWEリーグ・ホームでの平均入場者数は第13節終了時点で998人(7試合)。最多は開幕戦の1820人だった。

 WEリーグは女性が活躍する社会の象徴になることをめざして21年にスタート。平均入場者数の目標を5千人にした。だが今季は現時点で最多のサンフレッチェ広島レジーナでも平均4135人(6試合)にとどまる。

 パルセイロ・レディースは第13節終了時点で12チーム中11位。7連敗中だ。今季を終えた男子も20チーム中19位でJ3残留はしたが、精彩を欠いた。

 成績に苦しむ中でも、どれだけのサポーターが呼びかけに応じてくれるか。クラブの総合力が試される機会になりそうだ。(志村亮)