2025年が終わりに近づこうとしている。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返っ…
2025年が終わりに近づこうとしている。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返ってみたい。
広島県は、不本意にもグラウンド外で全国の話題をさらってしまった。夏の甲子園に出場した名門・広陵が、部内での暴力行為の事案をめぐって、SNSなどで誹謗(ひぼう)中傷が拡散されていることを理由に、大会の出場を辞退。初戦を勝利し2回戦を前にした時点での異例の事態で、甲子園では春夏を通じて、大会途中での不適切事案による出場辞退は初のことだった。長くチームを率いて数々の実績を挙げてきた中井 哲之監督など指導者らも辞任した。
広陵は新チームとなり新たな船出となった秋季大会でも、2年ぶり21回目の優勝を果たした。来年春のセンバツをかけ中国大会に挑んだが、初戦敗退。通常、県内で優勝したチームは翌年センバツの一般枠の県推薦校となるが、暴力事案に関して進展が見られないことなどを総合的に判断し、推薦校から外れている。
春季大会を制したのは英数学館だった。決勝で広陵を2対1で破って大会初優勝。最速147キロ右腕・プロ注目の藤本 勇太投手(3年)が完投勝利を挙げた。2022年夏の3回戦で、2対1で勝利した歓喜を再現。当時は「ジャイアントキリング」などと呼ばれることがあったが、3年後の今年は、堂々と決勝で倒して頂点をつかんだ。
秋は準優勝だった崇徳が中国大会で33年ぶりに優勝。来年のセンバツも当確とし、古豪復活をアピールした。やや暗いニュースも多かった広島だけに、来年は県勢の活躍に期待される。