「The GOAT(史上最高の男)」の最後は、まさかのタップアウト負け。伝説の王者の引退試合に用意されたのは、勝利でも…

 「The GOAT(史上最高の男)」の最後は、まさかのタップアウト負け。伝説の王者の引退試合に用意されたのは、勝利でも称賛でもなく、残酷すぎる“敗北エンディング”。ファンは騒然となり、「引退試合で負けさせるのはやめろ」「ふざけるな、もう観ねえよ!」と怒りの声が噴出する一方で、「これが世代交代の形」「諦めない男がギブアップで終わる完璧な結末」と理解を示す声も上がり、評価は真っ二つに割れた。

【映像】衝撃の“バットエンディング”→会場がとんでもない雰囲気に

 12月13日(日本時間14日)、世界中が固唾をのんだWWE「Saturday Night’s Main Event」。団体の象徴であるジョン・シーナのラストマッチは、誰もが言葉を失うスリーパーホールドによる「タップアウト」という悲劇的な結末を迎え、会場とSNSに激震が走った。

 23年のキャリアを締めくくる相手は、現役最強の一角で“リング・ジェネラル”の異名を持つグンター。中盤にはシーナがSTFを極め、雪崩式アティテュード・アジャストメント(AA)を炸裂させるなど、勝利への流れを完全に掌握。世界中のファンが「最後は勝つ」と確信、しかしグンターが得意のパワーボムから一気にスリーパーホールドへ移行。粘りに粘った“Never Give Up”の男は、ついにマットを叩いた。勝利の可能性が無残に打ち砕かれた瞬間、会場は悲鳴と怒号に包まれ、試合後には制作総指揮のトリプルHにまで激しいブーイングが浴びせられる異常事態となった。

 WWE公式Xが「言葉がない…」と投稿したこのバッドエンディングは、瞬く間に81万再生を突破。ファンの反応は、感情的な拒絶と、冷静な称賛が激しく衝突。怒れるファンからは「ふざけるな、もう二度と見ない」というボイコット宣言や、「引退試合で負けさせるのはやめろ」「“ネバーギブアップ”がただの“ギブアップ”になった」と、英雄のモットーが最後の最後で崩壊した事実を嘆く声が殺到した。

  一方で、プロレスというエンターテインメントを俯瞰的に捉えるファンからは、「みんな、これがプロレスブッキングの基本だ。世代交代なんだよ」や、「諦めない男がついに諦めた。だからこそ完璧な結末だ」「彼の時代が終わったことを示す完璧な方法だった」と評価する声も上がっている。

 2025年、衝撃的なヒールターンから「レッスルマニア」でのWWE統一王座再戴冠、ベビーフェイスへの回帰、そして11月のインターコンチネンタル王座奪取によるグランドスラム達成――シーナは引退ロードで考え得る限りの栄光を掴み取ってきた。それだけに、この“敗北で終わる最終章”を受け入れられないファンが多いのも無理はない。

 英雄の最期は正解だったのか、それとも取り返しのつかない選択だったのか。タップアウトという結末は、感動ではなく「問い」を残したまま、ファンの心を引き裂いた。世代交代の象徴と捉える者もいれば、GOATへの冒涜だと糾弾する者もいる。どちらの言い分にも一理があるからこそ、この結末は簡単に消化されることはないだろう。

 ジョン・シーナの引退試合は、拍手で終わるはずだった物語を、議論と怒り、そして解釈の戦場へと変えた。この決断が正しかったのかどうか――その答えが出る日は、まだ当分先になりそうだ。

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