Mスポーツ・フォードは、2026年のWRCに参戦するクルーのラインナップを発表した。今季、初めてラリー1マシンでのフル参…

Mスポーツ・フォードは、2026年のWRCに参戦するクルーのラインナップを発表した。今季、初めてラリー1マシンでのフル参戦に挑んだジョッシュ・マカリアン/オーン・トレーシー組が続投。チームメイトには、モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーの同僚でもあるジョン・アームストロングと、シェイン・バーンを迎える。Mスポーツとしては、モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーとの協力関係を拡大した形になる。

マカリアンは、ラリー1での初シーズン、開幕戦のモンテカルロからクレバーで一貫性のあるパフォーマンスを披露して7位に食い込むと、その後も初参戦のラリーが多いなかで学ぶ一方で、ポルトガルで8位、フィンランド、セントラルヨーロッパでも7位フィニッシュと、好成績を残した。シーズンを戦うなかで、フォード・プーマ・ラリー1の開発にも貢献。26年も堅実なリザルトを目指して戦う。

キャリアを通してフォードのマシンで経験を積んできたアームストロングは、ラリーのピラミッドを順に上がってきた。13年にフォード・フィエスタR2で英国選手権の参戦を始めると、15年にERCとWRCにRC4クラスで初参戦。ポルトガル、フィンランドに関してはすでに相応の経験を積んでいる。21年、22年はフォード・フィエスタ・ラリー3のワンメイクであるジュニアWRCでシリーズ2位に入っており、クロアチア、スウェーデン、エストニア、ポーランドで優勝やポディウムフィニッシュを果たしている。

23年にERCへの参戦を始めたアームストロングは、すでに培った幅広い経験を活かして、フィエスタ・ラリー3でERC3タイトルを獲得。ロイヤル・ラリーオブスカンジナビアでは、ラリー2での参戦も果たした。24年は、フォード・フィエスタ・ラリー2でERCのトップカテゴリーに挑戦。この時のコ・ドライバーは、トレーシーが務めている。この年はモータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーの支援を受けて充実したシーズンを送り、ステージの知見を深めた。25年からはトレーシーがマカリアンと組んだことから、コ・ドライバーにバーンを迎え、ERCポーランドとズリンでポディウムフィニッシュすると、英国のケレディギオンではSS2から首位に立った後、そのまま順位を譲らずERC初優勝をマークした。アームストロングは最終戦クロアチアまでタイトル争いに残ったが、6ポイント届かずシリーズ2位となった。





なお、チームは「残りのラインナップについては、近日中に発表する」としている。

Mスポーツ・フォードWRTのチーム代表、リチャード・ミルナーは「2026年シーズンに向け、ジョッシュとオーンのチーム継続を発表できることを、うれしく思う。彼らは輝かしいデビューシーズンを送り、ラリー1での経験が限られているにも関わらず、明らかな成長を見せた。だからこそ、この上昇傾向を継続する機会を提供できるのは素晴らしいことだ。イベント以外でも、ふたりともチームで非常に貴重な存在となっているので、また一緒に仕事ができることを心から楽しみにしている」とコメント。
「ジョンとシェインが、我々とともにラリー1マシンへステップアップする機会を得たことも、非常にエキサイティングなことだ。 26年を通して彼らがどのように成長していくのか、心から楽しみにしている。ジョンはこの機会を得るために、長い間努力を続けてきた。そして昨シーズン終盤のERCでの圧倒的な活躍により、彼を無視することはできなくなった。25年シーズンを通じて支援してくれた、モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーに感謝を伝えたい。26年へ向けて、さらなるパートナーシップの発展を楽しみにしている」

26年はラリー1マシンでのフル参戦2年目に臨むマカリアンは「26年のWRCシーズンに、Mスポーツから参戦する契約が確定したことを心からうれしく思う。チームとモータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーの両方から継続的な支援を頂いていることに、深く感謝している。自分たちは25年を通じて、着実な進展を遂げた。来年はこれまでの学びを基盤に、さらに前進できることを楽しみにしている」とコメント。
「WRCのトップレベルでまたシーズンを過ごせることは、とても大きな意味がある。 昨年この時期と比べると、自分は精神的にまったく違う状態になっている。より強く、より明確になり、これから待ち受ける挑戦を楽しむ準備ができている。いま、自分が集中することは、自分自身と、最善を尽くしてパフォーマンスを見せ、オーンとともにこの素晴らしい機会を最大限に活かしていくことだ」

ついにラリー1マシンでの参戦チャンスをつかんだアームストロングは「ラリー1マシンに乗る機会をいただけたことに、心から感謝している。幼い頃から目指してきたラリーのトップレベルで実際に戦えるようになったことは、まさに夢が叶った瞬間だ」と喜びを伝えている。
「もちろん、物事が思うように進まず、実現するかどうかさえ確信が持てなかった年もあったが、ERCではとても好調なシーズンを送り、自分たちの可能性を示した。次は世界ラリー選手権で何ができるのかを試したくなるのは、自然のことだ」

「ラリーキャリアの大半をともに戦ってきたMスポーツ、そしてモータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーには心から感謝している。彼らなしでは、間違いなくこの場に立つことはできなかった。これから始まる一年を、心から楽しみにしている。これから楽しいこともたくさんあるし、困難も間違いなく待ち受けているだろう。でも、自分たちはそうした困難に立ち向かえることを示してきたと思うので、とにかく強くあり続け、楽しみながら、前進し続けるだけだ」