ボクシングWBA世界ライトフライ級王者高見亨介(23=帝拳)が10月に死去した恩師に王座統一を届ける。17日、東京・両国…
ボクシングWBA世界ライトフライ級王者高見亨介(23=帝拳)が10月に死去した恩師に王座統一を届ける。17日、東京・両国国技館でWBO世界同級王者レネ・サンティアゴ(33=プエルトリコ)との王座統一戦を控え、16日に都内のホテルで前日計量に臨み、200グラム少ない48・7キロでパスしたサンティアゴに対し、高見は100グラム少ない48・8キロでクリア。51歳で亡くなった目黒日大高時代の指導者となる梅下新介さんに2本の世界ベルトを獲得した姿を見せる覚悟だ。
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動じなかった。約10キロもの減量をやり遂げ、計量パスした高見は安堵(あんど)感に浸った。するとフェースオフ(にらみ合い)では、サンティアゴから急接近された。しかし慌てず、左手で制して至近距離を回避。落ち着いて約12秒のにらみ合いを終えると「すごい勢いできたので下がりました。にらみつけた感じで、気合が入っていた。一ボクサーとして戦うのが礼儀。さらに気合は入りました」と口元を引き締めた。
今年10月24日、目黒日大高時代に指導を受けていた元監督の梅下さんが死去した。病気療養中だったそうで「本当に急だったのでショックでした」と表情を曇らせた。アマチュア時代、梅下さんから「五輪にも関係してくる素質がある」と期待されていた。プロの道を選んだ高見だが「お世話になった監督。練習の時は厳しかったですけど、必ずセコンドで『ナイス、ボクシング』と言ってくれたことをよく覚えている。それが試合ですごく頼もしかった。自分が活躍していくところを見守っていただけたら」と朗報を届ける覚悟だ。 幼少時代から交流のある格闘家・平本蓮からの助言でチョコレートアイスを食べながら減量したという。「グラムが少なくカロリーが多い方がエネルギーになると。半信半疑に食べてましたが、体重の落ちが良かった」と感謝。日本男子7人目、名門・帝拳ジムでは初の統一王座獲得へ「しっかりとものにしたい。倒し切って勝ちたい」。その準備は整った。【藤中栄二】