東京スポーツ新聞社制定2025「プロレス大賞 supported by にしたんクリニック」の選考会が16日、都内で行わ…
東京スポーツ新聞社制定2025「プロレス大賞 supported by にしたんクリニック」の選考会が16日、都内で行われ、スターダムの2冠王者、上谷沙弥(29)が女子プロレスラーとして史上初めてMVPを受賞した。
後藤洋央紀、棚橋弘至(ともに新日本)、KONOSUKE TAKESHITA(新日本、DDT、AEW)、OZAWA(ノア)との争いとなり、19票中11票を集めた(上谷以外の票数は後藤=1、棚橋=5、TAKESHITA=0、OZAWA=2)。上谷は女子プロレス大賞も同時受賞した。
上谷は今年4月27日の横浜アリーナ大会で中野たむとの敗者引退マッチに臨み、大きな話題を集めた。またフジテレビ「千鳥の鬼レンチャン」やTBS「ラヴィット!」に出演。ラヴィット!では羽南とのシングルマッチがオンエアされたが、女子プロレスが地上波テレビで生中継されるのは23年ぶりの快挙だった。
このように一年を通じてリング内外でプロレスの魅力を発信し続け、新たなファンを獲得していった業界への貢献度が高く評価された。
上谷は16日夜に都内で会見に臨み、「まあ沙弥様のことだから、そりゃ当たり前だよな」と高笑い。そして「『まだ(プロレスを)見たことのない世間の人に女子プロレスを知ってもらいたい』という目標を掲げ、さまざまなメディアに出演して、昔のイメージで止まってしまっている女子プロレスってもののイメージを全て変えることができたんじゃないかなって思っている」とうなずいた。
今年は毎日プロレスのことだけを考えてきたという上谷は「本当に気が狂いそうな日々を送ってたんだけど、でもこうやって一つの形になると、どんなことがあっても逃げ出さずに自分自身と精いっぱい向き合い続けてきて、本当に良かったなって心から思っている」と充実感をにじませた。
そして「でもまだまだ沙弥様は満足してないので、お前らが見たことのないような景色を見せてやろうと思っているし、これ以上にプロレスをメジャーシーンに引き上げて、沙弥様がどんどん高みに連れてくんで。お前ら全員、沙弥様から目を離すなよ」と話し、次なる目標にスターダムの東京ドーム大会を掲げた。
毎日プロレスのことを考え続けてきた沙弥様だが、YouTube番組の中では「恋したい」と本音を漏らす場面もあった。この日の会見でそれについて聞かれると、照れながら「沙弥様は極悪乙女モードに入ると、やっぱり恋愛したいってなっちゃうんですけど(笑い)、来年以降ですかね。今年はちょっと多忙だったんでできませんでした。来年恋愛します」と宣言した。
そして上谷は受賞を伝えたい人について聞かれると両親と、中野たむの名前を挙げた。両親については「今まで自分がダンスやってアイドルやって、太田プロとか事務所に入ったけどうまくいかずみたいな自分の人生すべて、そばで一番近くで見てきてくれて。なかなかうまくいかないことの方が大半だったので。最初プロレスを始めた当初、親はすごく反対していたけど、だんだんプロレスをやる姿を見てどんどん応援してくれているので。最大の親孝行なんじゃないかなって思うので、伝えたいです」と説明。
中野たむについては「本当に今年1年の原動力。やっぱり中野たむのプロレス人生を私が背負っているからこそ、リング内でもリング外でもどんな時も背中を押してくれていた存在で。自分自身のために頑張るより、人のために頑張るってこんなに自分自身を動かしてくれるんだなって、すごく中野たむには感じさせられて。中野たむがいなかったら今の私はいないと思っているので、プロレスを始めたきっかけの人でもあるんで。MVP取ったよっていうのは伝えたいですね」と話した。
ヒールレスラーなのに人間としてのちゃんとしている部分がダダ漏れしていた上谷は、一番大きな目標について「MVPになったので発言権はあるので、スターダムをプロレス業界一番の団体にしたいと思ってます」と力を込めた。
◆上谷沙弥(かみたに・さや)1996年(平8)11月28日生まれ、神奈川出身。小学3年から高校卒業までダンスに打ち込み、中学時代にヒップホップダンスの世界大会で2位に。高校時代にはEXILEのバックダンサーとしても活動した。14~15年にはバイトAKBのメンバーだった。19年1月からスターダム練習生。同年8月10日の渡辺桃戦でデビュー。現在保持するワールド・オブ・スターダム王座、STRONG女子王座など獲得タイトル多数。ワンダー王座は歴代最多防衛15を記録した。24年6月のユニット追放マッチで“1人Queen’s Quest”となってしまうが、同年7月に突如極悪軍団HATEに加入した。168センチ、58キロ。