大きく飛躍を遂げたシーズンの最後にふさわしく、佐久間朱莉は年間表彰式「JLPGAアワード」で誰よりもスポットライトを浴…
大きく飛躍を遂げたシーズンの最後にふさわしく、佐久間朱莉は年間表彰式「JLPGAアワード」で誰よりもスポットライトを浴びた。
デニム生地がおしゃれな青いドレスは、ラインストーンをあしらったスカートがキラキラと輝くオーダーメイド。11月にウェディングドレスを手掛ける店舗へ足を運び、作ってもらった。「自分でごつくてビックリしています…」と笑った二の腕は、新たな女王の強さを象徴するもの。年間最優秀選手賞、賞金ランキング、平均ストローク賞、特別賞と4つのタイトルを誇らしげに受け取った。
初優勝を目標に掲げて入った2025年シーズン。4月「KKT杯バンテリンレディスオープン」を皮切りに4勝を積み上げた。「次の年の目標と思っていた年間女王を、1年早く達成できた。本当に、自分が思い描いた以上に良いシーズン」と充実感にあふれる。
それでも、気の緩みは一切ない。2026年に向けて「ことしの自分を超えるということは、さらに頑張らないといけない。それなりに高いハードルが待っている。自分の目標があって、それを追っていく。(女王として)追われる感覚は、あまりないです」と言い切る。今季「70.0585」でわずかに及ばなかった平均ストローク60台を達成するために、もっとうまくなりたい。
師匠のジャンボこと尾崎将司からも、宿題をもらっている。女王戴冠を報告した時も「強くなったな、おめでとう」と祝福された後が本題と言わんばかり。「あれ、(国内)メジャーは獲ってないんだっけ?」。褒めるところは褒めつつ、次の目標に向かわせることを忘れない。不変の向き合い方が闘争心に火をつける。「優勝した時には(ほぼ)毎回、報告に行きます。最初は『おめでとう』って言われるんですけど、絶対に何かグサッとくる言葉がある。“愛のムチ”じゃないけど、それがジャンボさんらしくて。『おめでとう』のひと言で終わると、逆に寂しい」
昨年は「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」で、ことしは「日本女子オープン」で2位を味わった。特に日本ゴルフ協会(JGA)が主催するナショナルオープンは「ジュニアの時もJGA競技では2位だった。リベンジしたい思いもあります」と明確なターゲットになる。
年明けは宮古島で身体づくりを行った後、米アリゾナ州で3週間ほど合宿を張る。「オフシーズンに課題をどこまで詰めていけるかが勝負。大切に過ごしていきたい」。意識の高さから風格が漂った。(編集部・亀山泰宏)