リーグ参入5年目での悲願達成――。サッカーJ3のテゲバジャーロ宮崎は14日、プレーオフ決勝でFC大阪と戦い、4―0で快…
リーグ参入5年目での悲願達成――。サッカーJ3のテゲバジャーロ宮崎は14日、プレーオフ決勝でFC大阪と戦い、4―0で快勝。2021年のJ3参入以来、初のJ2昇格を決めた。鳥取市のAxisバードスタジアムでの試合に地元からも声援を送ろうと、パブリックビューイング(PV)には多くのサポーターが集まり、歓喜の声をあげた。
今季を19勝9敗10分けのリーグ4位で終えたテゲバジャーロは、プレーオフ準決勝で鹿児島ユナイテッドFCを2―0で破った。決勝は引き分けならリーグ3位のFC大阪が勝者となる決まりだった。
この日のテゲバジャーロはリーグ得点王の橋本啓吾選手を体調不良で欠いたが、地元のサポーターたちは意気軒高と観戦に臨んだ。PV会場は新富町や綾町などにも設けられた。宮崎市の宮崎公立大会場には約350人が集まった。
宮崎市の設計士、大石純さん(43)は友人家族と計9人でやって来た。「この1年間で若い選手たちが少しずつ成長した。一体感が高く、魅力的なサッカーをするようになった」と振り返り、「相手も最後の最後で守ってくるだろうが、テゲバの選手たちならやってくれると思います」と期待を述べた。
キックオフ直前には会場が一体となり「テゲバジャーロ」と連呼、チャント「共に」を合唱して気持ちを高めた。
前半は、序盤のピンチをしのぐと次第にテゲバジャーロのペースに。攻撃をシュートで終える良い形が続いた。会場には、スクリーンに映し出されたライブ中継から聞こえるスタジアムでのサポーターの声に合わせて「アレ、アレ」「ゴーゴー」の声援が響いた。
すると29分、井上怜選手のゴール前へのクロスが相手選手に当たってネットに吸い込まれ、先制点に。続いて42分、吉沢柊選手がミドルシュートを決めて2点リードで折り返した。
友人2人と訪れた宮崎市職員の甲斐美沙希さん(25)は「前半は宮崎がボール支配率を高く進められたと思う。後半も積極的に攻撃してもらいたい」。
その期待通り、後半も選手たちは集中力を保ち、体を張った守備で相手の反撃をはね返した。引いて守るだけではなく、積極的にゴールを奪いにいく姿勢を貫いた。
18分、相手守備がクリアミスしたボールを武颯選手が押し込み3点目。さらに25分、途中出場の松本ケンチザンガ選手がヘディングシュートを決めて4点差とした。会場に「オー」と歓声が響き、安堵(あんど)や喜びのざわめきが長く続いた。
その後も声援は途切れず「無失点で終わるぞ」の檄(げき)も飛んだ。最終盤のピンチもGK岡本享也選手が好セーブで阻み、間もなくして試合終了。サポーターたちは両手をあげて手をたたいたり、抱き合ったりして、昇格決定の喜びをかみしめた。
長年、応援を続けてきたという介護福祉士の鶴丸龍次さん(50)は試合中、何度も手を組み、祈るような思いで観戦を続けた。試合終了間際には涙もこぼれた。この間の思いがあふれたのだという。
年々サポーターが増え、特に昨季中盤あたりから「選手同士やチーム、ファンの間に家族のような一体感が生まれてきた」。そのことがうれしかった。
この日の勝利を「宮崎のサッカーの歴史に大きな一歩が刻まれた」と表現し、「J2はあくまでも通過点。J1昇格に向けてJ2でも当たり前に勝てるチームとなるように後押しを続けたい」と話した。
来季の続投が発表された大熊裕司監督は「新たな舞台となるJ2は、これまで以上に厳しく、タフな戦いが待っています」「だからこそ、これまで大切にしてきた『走る・戦う・一体となる』という姿勢をぶらさず、さらに質を高め、テゲバジャーロ宮崎らしいサッカーを追求していきたい」とコメントした。(吉田啓)