来秋のドラフト1位候補が、衝撃の決断だ。仙台6大学リーグに所属する仙台大の最速159キロ右腕、佐藤幻瑛投手(3年=柏木農…

来秋のドラフト1位候補が、衝撃の決断だ。仙台6大学リーグに所属する仙台大の最速159キロ右腕、佐藤幻瑛投手(3年=柏木農)が、米大リーグ挑戦を見据えて米国内の大学に編入することが15日、分かった。複数の関係者が明らかにした。今夏の日米大学選手権では3年生ながら日本代表入りし、史上初の3連覇に貢献。大学屈指の有望株は、憧れのメジャー挑戦を視野に、来年2月にも渡米する。

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偏差値71の桐朋(東京)からマイナー経由でメジャーへ。アスレチックス傘下の森井翔太郎投手兼内野手(19)はそんな夢を描き、高校卒業後、米球界に飛び込んだ。最短距離でメジャーに挑むアマチュア球界の動きを「厳しい環境ですが、それが自分の一番やりたいことで覚悟を持って挑戦したいなら、一緒に頑張ろうよと思います」と歓迎する。渡米1年目は母が同行し日本食をつくるなどサポート。投手での登板はなかったが、打者ではルーキーリーグで43試合、打率2割5分8厘だった。「一瞬も気の抜けない世界ではありますけど楽しくやっていますよ」と目を輝かせる。

一方でアマチュア有望株の相次ぐ海外流出は、NPBスカウトたちに大きな脅威を与えている。「正直、懸念はある」と声を潜めたある球団幹部は「ドラフト1位に提示できる金額ですらメジャーに太刀打ちできない。どうしたらいいのか答えが見つからない」と吐露。別の球団の幹部は「1度きりの人生だからチャレンジはさせてあげたいけど、森井のようなドラフト候補が同じ年に複数出てきたら困る」と危惧する。

今秋の明治神宮大会ではメジャーのスカウトがスタンドから目を光らせた。あるスカウトは「みんな目の色を変えて第2、第3の森井のような選手を取りに来ている」と指摘し「才能ある日本人選手たちがNPBを経由しないで海外に渡るケースは、もはや避けられない」と私見を交えた。

64年に日本人で初めて村上雅則がメジャーでプレーし、今年で61年。野茂英雄、イチロー、松井秀喜、大谷翔平-。数多くの日本のトッププロが海を渡った。アマのトップクラスも次々と視線を米国に向ける。令和の外向き思考は“森井現象”とも言える。「我々にとってはたしかに痛手だけど、スカウト側も『昔はこうだった~』と押しつける時代ではない」。ある球団幹部の言葉が時代の転換期を映していた。【アマチュア野球担当=平山連、保坂淑子】