満足なマシンのアップデートが受けられない状況では、いずれにせよ二人とも苦戦は避けられなかっただろう(C)Getty Im…

満足なマシンのアップデートが受けられない状況では、いずれにせよ二人とも苦戦は避けられなかっただろう(C)Getty Images

 2025年シーズン、レッドブルは第3戦日本GP直前、セカンドドライバーのリアム・ローソンと、レーシングブルズの角田裕毅を入れ替え、その決断が注目を集めた。英メディア『F1OVERSTEER』では、現地時間12月14日のトピックにおいて、両ドライバーそれぞれのレッドブルでのパフォーマンスを比較するなど、改めてシーズン中のシート交代についての考察を行っている。

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 これまでも困難な任務であると伝えられてきた、マックス・フェルスタッペンと組むレッドブルセカンドドライバーの役割を、2025年はローソンと角田が担った。だが、開幕から2戦を走ったローソンは入賞ゼロ、角田は22レースで30ポイント獲得にとどまった。出走数こそ大きく異なるも、いずれもレッドブルでは、ポテンシャルを発揮できたとは言い難いリザルトと言えるだろう。その中で、『F1OVERSTEER』では予選平均データにフォーカスしている。

 同メディアは、「シーズン全体の予選データを分析したところ、ツノダは平均でフェルスタッペンから0.735秒遅れていたことが分かった」と綴っており、またシーズン中では角田のみアップデートが受けられずにいた影響が、「0.2~0.3秒」の遅れに響いたと振り返りながら、「(20チーム)全体の競争が極度に拮抗していた2025年においては、この差は重く響いた」と評している。

 また、ローソンとフェルスタッペンの予選における平均差が「0.888秒」であると説いており、「ツノダとフェルスタッペンの差より、わずか0.1秒大きいだけだ」と指摘。同メディアは、「サンプル数は少ないが、まさにそこが問題だ」と強調し、その上で、「結果論ではあるが、ツノダが決定的なアップグレードとならなかったことを考えれば、クリスチャン・ホーナーとヘルムート・マルコは、ローソンに対してもう少し忍耐強くあるべきだったのかもしれない」との見解を示している。

 一方で同メディアは、ローソンに対し、レーシングブルズで地道にポイントを稼ぎシート残留に繋がったとしており、「レッドブルを離れたことがF1キャリアを救ったとも言える」と主張。続けて、「ただし、トップシートをあまりに早く失ったことで受けた評価面でのダメージから、完全に立ち直れるかどうかは分からない」と論じている。

 角田に関しては、最終戦アブダビGPを前にして、来季テスト兼リザーブドライバーを務めることが発表された。シーズン途中での復帰の可能性もゼロではないものの、当面の間、日本人パイロットがグリッドから姿を消すこととなる。いずれにせよ現時点において、衝撃のドライバー人事における当事者となった元チームメイト2人は、来季のシートを巡って明暗が分かれる結果となった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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