ちょうど10年前の朝日杯FSは、レース史に残る名勝負だった。M.デムーロ騎手のリオンディーズが武豊騎手のエアスピネル…
ちょうど10年前の朝日杯FSは、レース史に残る名勝負だった。M.デムーロ騎手のリオンディーズが武豊騎手のエアスピネルを競り落とし、無傷の2連勝でGI初制覇を果たした一戦を振り返る。
この年の朝日杯FSの最大の注目点は「偉業達成なるか」であった。主役は1番人気のエアスピネルに騎乗する武豊騎手。当時施行されていた22個のJRA・GIのうち、それまでに21個を勝利。残すは朝日杯FSのみだったため、多くのファンが完全制覇を期待していたのだ。
レースは序盤こそ少し流れたが、道中で緩んで平均ペースとなった。エアスピネルは中団から。その前に4番人気のボールライトニングが付けて、1戦1勝で2番人気の良血リオンディーズは最後方からじっくりと運んだ。迎えた直線、エアスピネルが楽な手応えで先頭に並びかけて、そのまま後続を突き放す。独走か!? そう思われた瞬間、1頭だけ猛追する馬がいた。直線勝負にかけたリオンディーズである。一完歩ごとに差を詰めると、坂を上がった残り50mで逆転。さらにゴール前でグイッと引き離し、最後は3/4馬身の差を付けて、無敗で2歳王者の座に就いた。ちなみに2着エアスピネルと3着シャドウアプローチの差は4馬身。まさに一騎打ちといえる戦いだった。
殊勲の鞍上となったM.デムーロ騎手は、この年の春にJRAの通年免許を取得したばかりだった。JRAの騎手としては皐月賞と日本ダービーのドゥラメンテ、チャンピオンズCのサンビスタに続き、JRAのGIを4勝目。日本のレジェンドを前に、勢いを感じさせる戴冠劇でもあった。