2025年のJ1リーグは、大きな盛り上がりとともに幕を閉じた。その成功ぶりは、観客動員数にも表れた。国内リーグとして欧…

 2025年のJ1リーグは、大きな盛り上がりとともに幕を閉じた。その成功ぶりは、観客動員数にも表れた。国内リーグとして欧州の5大リーグの一角を崩し、ベスト4へと至る道をサッカージャーナリスト大住良之がつづる。

■「満員」まで、あと一歩

 クラブの努力は、数字によく表れている。多くクラブの「最多入場者記録」が、昨年と今年の2シーズンに集中しているのだ。昨年はFC東京(新国立競技場でのホームゲームが3回あった)が3万3225人を記録し、ヴィッセル神戸(連覇を達成)も2万1811人の最多記録をつくった。そして新スタジアムが完成してどの試合も満員になったサンフレッチェ広島が2万5609人を記録した。

 さらに今年は、優勝した鹿島アントラーズが2万7401人のクラブ記録をつくり、名古屋グランパスガンバ大阪も初めて3万人を超え、それぞれ3万2263人と3万7人を記録、終盤まで優勝争いを見せた京都サンガF.C.が1試合平均1万6538人を集めた。「J1初昇格組」では、昨年の町田ゼルビアが1万7610人のファンでスタジアムをにぎわせ、今年がJ1昇格1年目だったファジアーノ岡山は「毎試合売り切れ」の状態で1万4587人を記録した。

 今年の最終節(第38節)では、10試合の総入場可能数(34万293人)に対して28万7790人がスタジアムを訪れた。キャパシティの実に84.6%である。たとえば6万枚が「売り切れ」になっていても、当日になって体調を崩す、急用ができるなどの人が必ず1割程度いると言われている。90%(5万4000人)入れば「満員」ということができる。Jリーグはあと一歩のところまできていると言ってよい。

■クラブに求められる「努力」

 しかし、課題は相変わらずスタジアムである。

 来季のJ1に初昇格を果たした水戸ホーリーホックは水戸市の「ケーズデンキスタジアム水戸」を使用してきた、収容は1万2000人。「J1基準」の1万5000人に満たない。本来なら「J1ライセンス」は交付されないのだが、数年間のうちに基準に適合するよう整備計画をまとめ、5年後までに完成させればJ1参入を認めるという「例外規定」の適用を受ける。計画がまとまらなければ、県立の笠松運動公園陸上競技場(収容2万2000人、茨城県那珂市)を使用することになるかもしれない。

 近年だけでも、広島や長崎など、魅力あふれるサッカー専用スタジアムが建設され、それによってクラブが活性化し、入場者が急増する例がいくつもある。観戦だけでなく、行くのが楽しみで仕方がないスタジアム、地域のシンボルに、そして誇りになるようなスタジアムづくりこそ、Jリーグが今後さらなる高みにのぼっていく重要なカギだ。ただ自治体にお願いするのではなく、Jリーグの協力を得てクラブが主体的に「理想のスタジアム」をつくっていく必要がある。

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