「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)のシングルスの予選2日目、初優勝を狙っていた第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)は11月14日、予選グループ〈ピート・サンプラス〉で、第7シード…

「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)のシングルスの予選2日目、初優勝を狙っていた第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)は11月14日、予選グループ〈ピート・サンプラス〉で、第7シードのダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦し、一部の観戦者からは予想外の、黒星を喫した。スコアは6(5)-7、7-6(4)、4-6の1-2で、試合時間は2時間37分だった。

今大会以前の両者の対戦成績は2戦2勝で、ナダルがリードしていただけではなく、ゴファンはナダルから1セットも取れていなかった。またナダルは今年、「ATPファイナルズ」の出場権をいち早く獲得しただけでなく、現在のランキングでも1位の座についており、圧倒的な強さを見せ付けてきた。今回も、第1シードでの参戦だった。

他方で、ゴファンは、「ATPファイナルズ」に第7シードで出場しており、過去の戦績や番付からは、ナダルが有利だと見られていた。◇   ◇   ◇

試合は、ナダルにとって怪我の影響もあったのか、不利に展開。第1ゲームのサービスから、ゴファンにブレークチャンスを握られるなど、劣勢に立たされた。いったん、ナダルはサービスをキープしたものの、次のサービスゲームとなった第3ゲームで、ゴファンにブレークを許してしまい、1ブレークダウンの苦しい立場に立たされた。

結局、ナダルは第6ゲームでゴファンのサービスを1度ブレークした上に、イーブンで迎えた11ゲーム目をブレーク。サービングフォーザセットに向かったが、好機を生かせずに、ゴファンに追いつかれた。さらに、同選手はタイブレークに入ると、競り合いに勝ちきれずに、セットを失う格好となった。

一方、第2セットに入ると、ナダルが巻き返した。両選手ともに、サービスをキープして迎えた第8ゲームで、ゴファンがナダルのサービスをブレークするが、ナダルはすぐにブレークバックして追いすがる。さらに、タイブレークに突入すると、ナダルは3度のミニブレークに成功し、1セットオールのタイに持ち込んだ。

勝敗を決める3セット目には、接戦が続いた。ゲームの流れが傾いたのは、第3ゲーム。ナダルが自らのミスなどで、15-40のダブルブレークポイントを与えてしまい、一時はデュースに追いつくも、ドロップショットをミスし、ゴファンに1ブレークアップのリードを許した。

さらに、ゴファンは、攻撃的なプレーを見せ、ナダルに隙を見せなかった。同選手は次のリターンゲームの第5ゲームでもブレークに成功し、2ブレークアップの大きなリードを確保。そのリードが確定した瞬間には、会場からもどよめきが起こった。

最後は、10ゲーム目にゴファンは、自身のサービスゲームをがっちりキープして、初戦の勝利を決定づけた。

ゴファンは、ナダルから初勝利を挙げた試合直後のインタビューで「大きな勝利を挙げられた。最高の夜だ」と語った。

今回の対戦で、ナダルは重要な初戦から黒星でスタートすることになった一方で、ゴファンは、王者・ナダルを相手に、大きな白星を挙げた。ただ、ナダルはその後、「ATPファイナルズ」からの棄権を公表しており、怪我の影響が懸念される。

また、「ATPファイナルズ」の予選グループ〈ピート・サンプラス〉の日程としては、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)対ゴファン、そして棄権したナダルの代わりに参戦するパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)対ドミニク・ティーム(オーストリア)が15日に行われる予定だ。(テニスデイリー編集部)

※写真は初戦を黒星でスタートすることになったナダル

(Photo by Ashley Western - CameraSport via Getty Images)