「みんなと分かち合いたい。この受賞は本当に嬉しい」受賞スピーチでそう語ったのは、ロジャー・フェデラー(スイス)だ。フェデラーの公式サイトによると、フェデラーはファン投票によるファンズ・フェイバリット賞を15年連続で1位、ATP選手たちの投票…

「みんなと分かち合いたい。この受賞は本当に嬉しい」

受賞スピーチでそう語ったのは、ロジャー・フェデラー(スイス)だ。フェデラーの公式サイトによると、フェデラーはファン投票によるファンズ・フェイバリット賞を15年連続で1位、ATP選手たちの投票によるステファン・エドバーグ・スポーツマンシップ賞、そして怪我などから復帰し見事な活躍をした選手に贈られるカムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーの3冠に輝いた。9日にロンドンで行われた「ATPファイナルズ」の公式パーティーにおいて、「2017年ATPワールドツアー・アワード」の授賞セレモニーが開かれた。

「今年はコートの中でも外でも良い一年だった。試合ではできるだけいいところを見せようと努力した。でもそんな選手は僕だけじゃないからね。コートの内外でそんなふうに頑張っている選手はたくさんいる。ファンズ・フェイバリット賞も同じさ。ものすごく人気のある選手はいっぱいいる。だからある意味これらのトロフィーはそんなみんなのものでもある。でも、もちろん貰ってとても嬉しいよ」喜びをそう言葉にしたフェデラーは、スポーツマンシップ賞を受賞するのは、7年連続で13回目。そのうち2004年から2009年にかけても6回連続で受賞し、いかに彼のプレーがツアー選手たちからも多大な尊敬を受けているのか伺い知れるところだろう。

そして、初受賞となったカムバック賞については、「この賞は特別な意味を持っている。こういう経験をしている選手は大勢いると思うけど、7~8ヶ月ものブランクの後でのカムバックは大変だからね。誰でもカムバックするときは、ものすごく一生懸命やる。そしてちゃんとカムバックできて、健康でいられることを嬉しく思うんだ。ラファエル・ナダル(スペイン)は僕にとってとびぬけて偉大な選手だ。カムバックしただけでなく、その年を1位で終わるんだから。だからこの賞は、僕にとってはある意味注意書き付きかな。つまり受賞できたことはとても嬉しいけれど、この賞に値する選手はほかにもいるってことさ」と、喜びとともにナダルを始め、ケガから復帰した選手たちを称えた。

フェデラーがカムバックした今年は、もちろん受賞に値する目覚ましい活躍があってこそ。膝の出術のために2016年の後半を休んだ彼は、今シーズンをランキング17位からスタートし、2位まで順位を上げた。その間、グランドスラムの「全豪オープン」「ウィンブルドン」での優勝を筆頭に、マスターズ1000の「BNPパリバ・オープン」、「マイアミ・オープン」、「上海ロレックス・マスターズ」の3勝、ATPワールドツアー500の「ゲリー・ウェバー・オープン」「スイス・インドア」の2勝の計7タイトルを獲得した。

ファンズ・フェイバリット・アワードで長年1位を取っているフェデラーは、彼を支え続けるファンに対しても「この賞は大好き。この賞をもらって思うのは、ファンが僕にとってとても大きな意味を持っているっていうこと。ファンと交流したり、喋ったり、サインをしたり、写真を撮ったり、彼らの声援を聞いたりするのは大好きなんだ。このことは、長い間僕に投票してくれた人たち、支えてくれた人たち、そしてテニス全般を愛してくれて、僕のプレーを見たいと思ってくれる人たちに声を大にして言いたいよ」と感謝の言葉で締めた。

11日の「ATPファイナルズ」初日の試合で今シーズン50勝目を挙げたフェデラーの、ファイナルズ優勝、そして来季ツアーの活躍を大いに期待したい。(テニスデイリー編集部)

※「2017年ATPワールドツアー・アワード」に出席し喜びを語るフェデラー

(Photo by Julian Finney/Getty Images)