J2のジェフユナイテッド千葉が12月13日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝で、徳島ヴォルティスを下して17年ぶりのJ1…
J2のジェフユナイテッド千葉が12月13日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝で、徳島ヴォルティスを下して17年ぶりのJ1昇格を決めた。その試合直後の小林慶行監督の熱すぎる“4分半”が話題を集めた。
Jリーグ開幕の1993年から「オリジナル10」の一員として存在感を示していたが、2009年にJ1最下位でJ2に降格し、以降16年連続のJ2暮らし。過去5度の昇格プレーオフ進出(2012年、2014年は決勝まで進出)も苦渋を味わい続けた。だが今季、自動昇格は逃したが、奇跡的な昇格プレーオフ準決勝(4−3)から決勝(1−0)でも勝利し、本拠地・フクダ電子アリーナで歓喜の雄叫びを上げることになった。
その試合後、2万人近いサポーターを前にした場内インタビューに小林監督が応じた。現在の率直な気持ちを聞かれると「めちゃくちゃうれしいですし、めちゃくちゃ疲れました」と静かに答える。そして試合を冷静に振り返った後、インタビュアーからサポーターへのメッセージを求められた小林監督は「準決勝、決勝と、本当にたくさんの方たちに来ていただいて、真っ黄色のスタジアムになった。皆さん今、見回していただければわかると思うんですけど…」とまで淡々と言葉を重ねると、ここで大きく息を吸ってから大声で「最高です!」と叫んだ。
スタンドからの大歓声を前に、指揮官は「難しいときに人間って何できるかって思うんですよね」と言葉を続ける。何年もクラブの応援を続けたサポーターとコロナ禍でも出資を続けたスポンサーに感謝した後、新規のサポーターにも「皆さんのおかげ」と感謝したうえで、「でも、この3年間で集まってくださったサポーターの皆さんは、普通に考えれば2回に1回は勝ち試合を見ているんですよね。で、来年J1に行くですよね。そんな簡単じゃないですよね。おそらく難しい時間があると思うんです。でもそんなときに本当にクラブをそのまま愛してもらえますか?」と熱く問いかけた。
■「マジでたくさんの人に聞いてほしい」
この小林監督の熱弁スピーチ、「簡単じゃない。難しい時間があると思う。でもそんなときでもクラブを愛してもらえますか?」とのメッセージに対して、SNS上には次のようなコメントが寄せられた。
「J1昇格を果たしたジェフの小林監督の情熱的、感動的、でも現実的な厳しさを説きながらファン・サポーターを巻き込んで惹きつける言葉」
「小林慶行監督の熱いインタビュー。マジでたくさんの人に聞いてほしい。こんな熱い言葉が語れる監督。正直うらやましく思ってしまった」
「他サポだけど非常に胸に沁みる言葉」
「これ全サポに聞いて欲しいな」
「全サポーターが見るべきインタビュー。熱すぎるぜ慶行」
「このインタビューは語り継がれると思う」
その後も指揮官の言葉は続き、「やっぱりジェフを愛する皆さんを増やしたい」「自分たちの目標は今後、何ですかっていうところがしっかりと皆さんと共有されて、来年以降、それに向かってしっかりと積み上げていく。そういうことがクラブにとってめちゃくちゃ大事なんだと思います」「ずっとこういうふうなスタジアムで戦い続けることができたら、やっぱり幸せだなと思います。みんなでそれを作っていきましょう。ありがとうございました」と続けた。
この指揮官の言葉に、J1昇格の感動に浸っていた千葉サポーターは背筋を正し、再び魂を燃やして大絶叫。語り切った指揮官は、選手たちから祝福のシャワーを浴びた後、担ぎ上げられての胴上げで3度、宙に舞った。この瞬間、千葉の新たな時代が始まったはずだ。