2歳牝馬ランキング(前編) 2歳牝馬の女王決定戦となるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。阪神・芝1600m…
2歳牝馬ランキング(前編)
2歳牝馬の女王決定戦となるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。阪神・芝1600m)が12月14日に行なわれるが、今年の2歳牝馬戦線はその大一番を前にしてもかなりの混戦状態にある。
それは、出世レースであるGⅢアルテミスS(10月25日/東京・芝1600m)を快勝したフィロステファニがレース後に屈腱炎を発症して引退。阪神JFの前哨戦といった位置づけのGⅢファンタジーS(11月1日/京都・芝1400m)を勝ったフェスティバルヒル(牝2歳/父サートゥルナーリア)もその後に故障。本来であれば、この世代をけん引していくと思われた有力2頭が戦線離脱してしまったことが何より大きい。
ファンタジーSを制したフェスティバルヒル(黒帽)
photo by Eiichi Yamane/AFLO
加えて、世代上位の素質馬たちも何頭か、好レースを見せたあとに負傷。それぞれ、長期休養を強いられてしまったことも、そうした混戦に拍車をかけている。
ともあれ、世代の顔となり得る「主役候補」は少なからずいる。阪神JFをステップにして、来春のクラシック候補へと一躍浮上する存在が出てくる可能性は大いにある。ということで、現時点での2歳牝馬を対象にした『Sportivaオリジナル番付(※)』をここで発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、来春のクラシックを目指す2歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。
「阪神JFの出走メンバーを見ても小粒な印象は否めず、今年の牝馬戦線はまだまだ不透明。これからデビューを迎える馬にも注意を払いつつ、キャリアの浅い馬の伸びしろなども考慮して、(来春の)クラシックを占うしかないでしょう」
デイリー馬三郎の吉田順一記者がそう語るとおり、近年の牝馬戦線のなかでも稀に見る混戦模様とあって、選者たちの評価も大きく割れた。

結果、5位には日刊スポーツの木南友輔記者、フリーライターの土屋真光氏の両氏が各々の1位に挙げた2頭がランクインした。オープン特別のもみじS(10月19日/京都・芝1400m)を勝利したリリージョワ(牝2歳/父シルバーステート)と、1勝クラスのベゴニア賞(11月30日/東京・芝1600m)を勝ったドリームコア(牝2歳/父キズナ)だ。
木南友輔氏(日刊スポーツ)
「札幌・芝1500mのレース(9月6日)でデビューしたリリージョワ。同レースは鞍上の浜中俊騎手が直線で後ろを振り返るほどの楽勝でした。2戦目のもみじSでも牡馬相手に勝利。そこで2着に退けたダイヤモンドノット(牡2歳)は、続くGⅡ京王杯2歳S(11月8日/東京・芝1400m)を圧勝しています。
使われてきたレースのせいか、注目度は高くありませんが、(戦ってきた相手との)力の比較からすると、楽しみな1頭です」
土屋真光氏(フリーライター)
「ドリームコアの母ノームコアは、古馬になってから国内外でGIを2勝。その分、晩成のイメージがありますが、2歳時にデビュー2連勝を飾っていて、もともと高いポテンシャルと仕上がりの早さを持ち合わせていました。
父キズナも、自身はGI日本ダービー(東京・芝2400m)を制し、産駒もジャスティンミラノがGI皐月賞(中山・芝2000m)を勝利。クラシックの時期に活躍できるタイプの血筋です。
そんな父母のいいところをかけ合わせたイメージができるのが、同馬。前走のベゴニア賞も着差以上の完勝でした。同レースから間隔が詰まっていることもあって、阪神JFをスキップ。来年に向けて備える、といった陣営の姿勢も好感が持てます」
4位には、骨折で戦列を離れたフェスティバルヒルが入った。現在は牧場で休養中だが、早めの復帰が叶えば、クラシックでも無視できない存在になることは間違いない。
土屋氏
「半兄が今年の皐月賞馬ミュージアムマイルという良血。その兄の父リオンディーズから同馬の父はサートゥルナーリアに代わって、牝馬向きの軽快感が加わった印象です。
前走のファンタジーSも決して適距離ではなかったと思いますが、きっちり差し切り勝ち。相当な能力の高さを感じました。戦線離脱は痛いですが、来春には復帰して活躍してくれることを期待しています」
3位は、スターアニス(牝2歳/父ドレフォン)。GⅢ中京2歳S(8月31日/中京・芝1400m)で牡馬相手に2着と奮闘した。
吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「回転の速いピッチ走法で、体型からしても1400mがベストの印象ではありますが、馬場のいい阪神・芝マイルなら、距離は克服可能と見ます。完成度が高く、道中でうまく我慢できれば、阪神JFでも持ち前のスピードとキレを生かして、安定したパフォーマンスを発揮できるのではないでしょうか。
ただ、現状の完成度が高い分、来春のGI桜花賞(阪神・芝1600m)となると、成長力で他馬より劣ってしまう可能性も。そこで上位を争うには、現時点での評価をどこまでキープできるかがポイントになるでしょう」
(つづく)