知野はパンチ力あふれる打撃も持ち味とされる(C)産経新聞社 慌ただしい冬の訪れだ。 中日が12月9日、元西武の右腕アルバ…

知野はパンチ力あふれる打撃も持ち味とされる(C)産経新聞社

 慌ただしい冬の訪れだ。

 中日が12月9日、元西武の右腕アルバート・アブレイユと契約合意したと複数のメディアで報道。さらに同日の現役ドラフトで、DeNA・知野直人を獲得。濱将乃介がDeNAに移籍し、実質「交換トレード」の状況になっている。

【写真】中田氏は現役ドラフトでDeNAに移籍が決まった浜との2ショットを披露、エールを送った

 選手の異動が激しい中、加入の運びとなる2選手に何が期待できるか。そして、去り行く濱はどんな選手だったか。簡単に綴りたい。

 アブレイユは155キロ前後の速球とツーシーム、スライダーを武器に、MLB通算108試合に登板。西武には2024年に在籍し、主に抑えとして28セーブ11ホールドを挙げている。

 今季はレッズ傘下の3Aで17試合に投げ、防御率5.79の成績。6月にリリースされ、以降は無所属となっていた。オフに広島が獲得の噂もあったが、結局は中日が合意に至ったようである。

 期待されるポジションは中継ぎ、特にセットアッパーのポジションだ。多少のブランクやリーグの違いこそあるが、NPBで投げた経験は決してマイナスにならないはず。松山晋也につなぐ一員として稼働してもらいたい。

 また、一部報道で先発としての適性を見極めるとの情報も出ている。現在のアブレイユは、ドミニカ共和国のウインターリーグ・リセイでプレー中。チーム最多の7試合に先発している。来季の中日のチーム状況によっては、先発を務める可能性もあるかもしれない。

 今年で4回目となった現役ドラフト。中日はDeNAの内野手・知野を獲得している。
 
 知野はBCリーグ・新潟から入団して、今季で7年目のシーズンが終了。1999年の早生まれ(2月16日生)で、DeNAでは牧秀悟や山本祐大らと同級生。中日では細川成也、藤嶋健人らが同い年にあたる。182センチ85キロの堂々たる体格で、ダイナミックなプレーが持ち味の内野手。二遊間を中心に、内野・外野問わずユーティリティに守れる。

 キャリアハイは2023年で、39試合に出場して2本塁打。巨人・井上温大から代打逆転満塁ホームランもマークしている。また、盗塁は通算4個と少ないが、走塁のうまさも度々クローズアップされている。

 新天地では持ち前のユーティリティ性を活かして、チームの足りないピースにハマると良い。代打・代走だけでなく、途中から守備に入って打席に立つパターンもあるか。もちろん、現役ドラフトの「先輩」細川のように、打撃開花をきっかけにポジションを奪うことも期待したい。

 最後に、DeNAへ去る濱についても触れたい。

 濱は独立リーグ・福井から入団し、今季で3年目のシーズンが終了。いわゆる「ミレニアム世代」のひとりで、「スーパー中学生」として中学時代から名を知られていた。アマ時代は内野手だったが、プロでは外野手に専念。守備範囲の広さと遠投125メートルの強肩を見せつけてきた。

 2年間はファームで力をつけ、3年目の今季にようやく一軍の舞台へ。初安打初打点は5月20日のDeNA戦、横浜スタジアムでのこと。アンソニー・ケイから右翼へ運んでいる。

 DeNAの外野陣といえば、長年センターを守った桑原将志が西武へFA移籍。蝦名達夫や梶原昂希、度会隆輝など、20代中盤の選手がレギュラーを獲得しようと鎬を削っている。おそらく濱もこの競争に加わるものと見られ、自らの武器を存分に発揮してもらいたい。

 そして、持ち前の明るさはきっとベイスターズファンにも受け入れられるはず。「デスターシャ」はされたくないけれど、元気な姿を竜党の前でも見せてくれたら嬉しい。

[文:尾張はじめ]

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