宮崎で育ったサッカー選手を宮崎のトップチームへ――。女子サッカーなでしこリーグ1部のヴィアマテラス宮崎が9日、宮崎学園…

 宮崎で育ったサッカー選手を宮崎のトップチームへ――。女子サッカーなでしこリーグ1部のヴィアマテラス宮崎が9日、宮崎学園高校3年で女子サッカー部員の田中娃李(あいり)選手(17)と税田(さいた)琳花選手(18)の入団を発表した。共に宮崎市出身でチームの育成組織1期生として育ってきた選手だ。「宮崎でサッカーをしている子どもたちの道しるべに」と期待されている。

 田中選手は5歳、税田選手は小学4年からサッカーを始めた。その時からヴィアマテラスの現ゼネラルマネジャー、柳田和洋さんから指導を受けてきたという。

 テゲバジャーロ宮崎のU12チーム、ヴィアマテラス宮崎のU15チームを経て、連携協定を結びヴィアマテラスからサッカー部へ指導者の派遣を受ける宮崎学園高へと進んだ。

 高校では、女子サッカー部の主軸として活躍し、2年連続での全国大会出場に貢献した。

 主将を務める田中選手は攻守の要のミッドフィールダーや、攻撃の中心となるフォワードを担う。相手守備の背後に抜け、ゴールまで持ち込むプレーが持ち味だ。なでしこリーグでもそうした力を発揮して「これまで支えてくれた地域の人たちに感動を届ける選手を目指す」という。

 ミッドフィールダーを務める税田選手はドリブルが得意で、相手にボールを奪わせない。「地域の人に応援されるよう、人間としても選手としても成長したい」と抱負を語った。

 ヴィアマテラス代表の秋本範子さんは、地元で高校までサッカーをしてきた若者たちが、その先の舞台を求めて関東や関西へと出て行ってしまう「通例」を、歯がゆく思っていた。

 「宮崎で育った子たちが、そのまま宮崎にいても全国で戦えるチームに所属することができるのが理想的な形と思い、取り組んできた」。その目的もありつくった育成組織の1期生2人の入団はチームの悲願だったという。

 「彼女たちのここから先の躍動が、サッカーを続けている女の子たちの目標や道しるべになればいいと思っています」

 2人は29日から始まる全日本高校女子サッカー選手権大会に出場後、1月中旬からチームに合流する予定だ。高校卒業後は宮崎国際大に進学し、大学生選手としてチームに参加するという。(吉田啓)