大分県内の高校相撲部から角界入りする生徒が相次いでいる。合宿などで学校の垣根を越えて共に鍛錬し、実力をつけているという…
大分県内の高校相撲部から角界入りする生徒が相次いでいる。合宿などで学校の垣根を越えて共に鍛錬し、実力をつけているという。
中津東高の田中翔盛(しょうせい)さん(17)は、元関脇嘉風の中村親方(43)が率いる中村部屋に入門する。親方は佐伯市出身で同校の前身、中津工業高卒。田中さんは中学生の頃から親方に目をかけられ、今年の夏には部屋に体験入門し、「話しかけてくれて過ごしやすい環境」と気に入ったという。
小学2年生から相撲を始め、高校時代は県内の個人戦では無敗だった。本人によると、身長175センチ、体重155キロで得意なのは押し出し。相撲部の恒賀正則監督(51)は「進んで練習するし、明るい性格。先生方からも可愛がられている」。
田中さんは「宇良関のようなスピードが持ち味で人気のある関取になりたい」と抱負を語る。
中村部屋は昨年6月に新設され、佐伯豊南高の武田琉斗(りゅうと)さん(18)と緒方惇斗(あつと)さん(18)も入門。同校からは初の角界入りで、緒方さんは力士の髪を結う床山として腕を磨く。
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日田林工高の梅木広兜(ひろと)さん(18)は放駒(はなれごま)部屋に入門する。同校出身者では3人目の角界入り。表敬訪問した日田市役所で、「これまでの感謝を忘れずに、稽古に全力で取り組み、強くなるよう努力する」と決意を述べた。
玖珠町出身で、6歳の頃から日田相撲クラブで相撲を始めた。身長173センチ、体重145キロの体格で、得意技は押し出し。今年の県高校総体では日田林工の団体2連覇に大きく貢献した。
元関脇玉乃島の放駒親方(48)は「基本がしっかり出来ていて、押しの形がいい。全力で相撲を取って、ファンの心をつかむような力士になってほしい」。日田林工相撲部の岩元優樹監督(25)は「優しくて後輩の面倒見もいい。精神面を伸ばして、気持ちが強くなれば活躍できると思う」と期待を込めた。(貞松慎二郎)