蹴球放浪家・後藤健生の前に、新たな壁が立ちはだかる。海外でサッカーを観戦する前に空港で支払う出国税が増額されるらしいの…

 蹴球放浪家・後藤健生の前に、新たな壁が立ちはだかる。海外でサッカーを観戦する前に空港で支払う出国税が増額されるらしいのだ。来年のワールドカップを現地で観戦する人にも問題となるが、さて……。

■ワールドカップ取材で「戦々恐々」

 日本政府は2026年度の税制改正で日本から海外に出る人から徴収する「出国税」(正式名称は「国際観光旅客税」)を現在の1人1000円から1人3000円に引き上げる方針を固めたと伝えられています。

 観光地の混雑などのオーバーツーリズム(観光公害)対策に使うんだそうです……。

 たしかに、最近の京都とか、東京で言えば浅草などには外国人観光客が大量に押しかけていて、歩く隙間もないようなことが起こっています。今年の10月だったか、京阪本線に乗って京都に向かっているとき、伏見稲荷駅の手前でふと外を眺めたら、踏切のところがまるで初詣の明治神宮のような混雑でごった返していたのでビックリしました。

 コロナ禍の頃は3000円も出したら、ちゃんとしたホテルに泊まることができましたが、各地のホテル代は高騰して「蹴球放浪家」の懐を直撃しています。

 ちょっと話題は変わりますが、来年ワールドカップが開催されるアメリカ合衆国はインフレ状態が続いており、さらに1ドル=155円という円安も直撃。「いったい旅費にいくらかかるのだろうか」と戦々恐々としていたのですが、試合の日程が決まったのでホテル予約サイトを開けてみたら、けっこう8000円前後でちゃんとバス・トイレ付の部屋があったので拍子抜けしてしまいました。

 どうやら、京都よりよっぽどマシのようです(もっとも、都市によっては安いホテルがないところもありますので、皆さん、ご予約はお早めに)。

■外国人観光客から「取るべし!」

 とにかく、日本政府は外国人観光客をさらに増やそうとしているのですから、オーバーツーリズムに対策を考えなければならないのは当然です(世界中の人から「行ってみたい」と思ってもらえているうちは、わが日本国も安泰ということ)。

 しかし、それなら、迷惑の原因であり、また受益者でもある外国人観光客から税金を取ればいいのに、「そもそも『観光旅客』ではないフリーランス・ジャーナリストからも3000円取るのはどうしてなんじゃ?」と、ひと文句を言わしてもらいたくなりました。

「その代わり」だかなんだか知りませんが、パスポート申請手数料を引き下げるという話もあるみたいですが、僕は今年の暮れまでには新しいパスポートを取得しなければならないので、これから手数料を下げてもらっても、恩恵に預かれるのは10年後のことになってしまいます。

 と、今回の原稿はひたすらグチの連続になっています。

■知らぬ間に払っていた「出国税」

 といっても、これまでも1000円の「出国税」を取られていたのですが、ほとんどの人には自覚がないことでしょう。ですから、3000円になっても気が付かない人のほうが多いかもしれません。

 なにしろ、「出国税」は航空会社が航空運賃と一緒に徴収しているからです。

 われわれが「飛行機代」として支払っている金額のうち、かなりの部分は税金なのです。

 海外の格安航空会社(LCC)のサイトなど見ていると、超格安の料金(時には0円とか!)が書いてあるのを見かけます。で、いざ予約しようと思って入力を進めていくと、座席指定料金とか手荷物料金などが上乗せされて支払額はどんどん増えていきます。

 そして、そこに税金が乗っかって、さらに支払い金額は大きくなっていくのです。その中に、日本の「出国税」や訪問先の国の税金も含まれているというわけです。

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