蹴球放浪家・後藤健生の前に、新たな壁が立ちはだかる。海外でサッカーを観戦する前に空港で支払う出国税が増額されるらしいの…
蹴球放浪家・後藤健生の前に、新たな壁が立ちはだかる。海外でサッカーを観戦する前に空港で支払う出国税が増額されるらしいのだ。来年のワールドカップを現地で観戦する人にも問題となるが、さて……。
■「現金払い」に泣かされた時代
昔は、そうした「出国税」や「空港使用料」を航空運賃とは別に徴収していた時代もありました。
たとえば、日本の空の玄関口、成田空港でも「空港使用料」というのを取られていましたし、海外の空港でも「出国税」なのか「使用料」なのか分かりませんが、やはりお金を徴収されたものです。
航空会社のカウンターでチェックインを済ませて、「いよいよ搭乗」と安心していると、出国手続き(パス・コントロール)の前に「出国税」の窓口があって、そこで金を取られるのです。
もう20年以上も前のことですから、たいていの国で「現金」での支払いを求められました。
当時は、海外旅行に行くときは両替をどうするのかが最大の心配事の一つでした。まだ、海外でクレジットカードを使うのは一般的でなく、カードを扱っていない店もたくさんありました。
それで、両替が必要なのですが、レートが良いのは銀行なのか両替商なのか、その国の事情を調べなければなりませんでした。
そして、余った外貨を円に戻すのにも手数料がかかりますから、両替するには必要最小限の金額にしたほうがいいわけです。ただ、現金が足りなくなると再び両替しなければなりません。
■出国直前に待っていた「トラップ」
そして、現地通貨を持ち帰っても、また両替で手数料を取られるわけですから、できれば帰国前に全部使い切ってしまいたいので最後の2、3日は計算しながら買い物をします。また、慣れない現地通貨を使っていると、ついつい札で払ってしまうので、釣りの小銭が財布に溜まってしまいますから、その辺も気を付けなければなりませんでした。
最後に空港に着いて、残っている現金を使って絵葉書でも買って、ようやく全部使い切って、いよいよ飛行機に搭乗しようと思っていると、最後に「出国税」の窓口があって「現金」を要求されます。それも現地通貨で、です。
「出国税」のことを忘れていたり、金額がいくらかを確かめないでいると、「出国税」の窓口で現地通貨が足りなくなって、慌てて再び両替に走らなければならないなんていうこともありました。
僕も、韓国でそんな目に遭ったことがあります。
その頃、ソウルの金浦(キンポ)空港では、すでに航空券と一緒に徴収されるシステムになっていました。ですから、釜山(プサン)から帰国するときも安心しきって現地通貨(ウォン)使い切ってしまっていたのです。
ところが、釜山の金海(キメ)空港では、まだ現金で支払うシステムだったのです。
■「釣銭なし」財布はほぼ“空”のまま
今では、何でもクレジットカードで支払いが可能になっています。
2025年には2月にU-20アジアカップがあって中国の深センに行き、7月はE-1選手権で韓国にも行きましたが、デジタル化が進んだ中国や韓国では、ほとんど現金を使いませんでした。中国では、ほとんどすべての場面で支付宝(アリペイ)で用事をすませましたし、香港の地下鉄ではクレジットカードのタッチ決済で乗車しました。
韓国で使ったのはクレジットカードと「Tマネー」カード。「Tマネー」(発音はティーモニ)は日本の交通系ICカードと同じようなものですが、ほとんどの店で使用できます。
ですから、財布はほとんど空のまま。もちろん、釣銭で財布がパンパンになることもありません。「出国税」などもありませんから(というより、航空運賃に含まれていますから)何も心配ないわけです。