今週の土曜日は、中京競馬場で中日新聞杯(GIII・芝2000m)が行われます。 現在の施行条件になった17年以降の中…

 今週の土曜日は、中京競馬場で中日新聞杯(GIII・芝2000m)が行われます。

 現在の施行条件になった17年以降の中日新聞杯(計8レース)では、前走が重賞だった馬よりもオープン特別に出走していた馬が好成績を残しています。

 データ対象の8レースでは前走重賞組が[4-3-5-68]に対し、前走オープン特別組が[4-5-3-36]となっています。3着以内に絡んだ数は同数ですが、勝率や連対率、回収率などは前走オープン特別が圧倒しています。

 前走重賞組は勝率5%、連対率8.8%、複勝率15%。単勝回収率38%、複勝回収率は53%となっています。一方、前走でオープン特別に出走していた馬は勝率8.3%、連対率18.8%、複勝率25%。回収率は単勝が71%で複勝はなんと173%と凄まじい数字を残しています。

 前走で重賞に使われている馬の方が字面はいいですが、実際には格下のオープン特別から参戦してきた馬に高い期待値がありそうですし、今年の中日新聞杯でも前走がオープン特別だった馬に注目してみるのもいいかもしれません。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
前走3勝クラスに出走
[0-0-0-8]複勝率0%
該当馬:シンハナーダ、ファミリータイム
(過去の該当馬:20年グロンディオーズ3番人気5着)
※特に言及のない限り、データは17年以降に12月の中京芝2000mで開催された中日新聞杯(計8レース)を対象にしています。

 上位人気が予想されるファミリータイムが該当しました。

 さて、ここまで前走オープン特別組や重賞組にスポットを当ててきましたが、データ対象の中日新聞杯では前走3勝クラス組が大苦戦。上記にもあるように8頭すべてが馬券圏外となっています。この中にはトーセンリョウやマコトヴェリーキー、ショウナンバルディなどその後の重賞戦線で活躍した馬も含まれています。

 重賞は3勝クラスと比べると格段にメンバーレベルは上がります。そのため、道中はタフな流れになることも珍しくありません。しかも、データ対象の中日新聞杯は高低差の大きい中京が舞台となっています。

 前走で3勝クラスに出走していた馬は、メンバーレベルの違いやタフな流れに慣れていないことなどから、本来の力を出し切れていないと考えられます。

 該当馬に挙げたファミリータイムは前走で3勝クラスに出走。しかも、今回が重賞初出走となります。これまでのレースを見ると、比較的緩いペースの競馬が多い印象。ただ、今回は重賞に加えて中京が舞台になりますので、今まで経験したことのない中で走ることになります。経験不足がアダとなり、本来の能力を出し切れずにレースを終えてしまうことも十分に考えられます。

 また、今回の斤量55キロは重賞で連対した実績のある馬と同じです。3勝クラスを勝ち上がったばかりの馬であることを考えると、この斤量は少々見込まれた印象も受けます。人気ほどの信頼はしづらいですし、過去の傾向からも本馬の評価を下げた方がより高い期待値を取れるのではないでしょうか。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。