◇国内女子◇JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日(12日)◇グレートアイランド倶楽部 (千葉)◇6525yd(パー…

単独首位から「77」で新人戦Vを逃した伊藤愛華

◇国内女子◇JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日(12日)◇グレートアイランド倶楽部 (千葉)◇6525yd(パー72)

13年ぶりとなる日本プロゴルフ協会(JLPGA)プロテスト1位合格者による新人戦Vはかなわなかった。18歳で現役高校生(埼玉栄高3年)の伊藤愛華は、2打差トップから4バーディ、7ボギー1ダブルボギー「77」と崩れ、通算4アンダー2位に終わった。

逆転を許した1学年上の藤本愛菜に5打差をつけられる完敗。「2日目まで入る感覚があったパットのタッチが微妙に合わなかった」と前半アウトだけで3回の3パットボギーを喫し、ハーフを終えて3打を追う立場に変わった。「どんどん追いつかれて、思い通りに打てないことで焦ってしまい、目標にしていたことができなかった」。高校入学前後から始めたメンタルトレーニングで培った心に波風を立てない意識は、ホールを重ねるごとに薄れていった。

最終日は34パットとグリーン上でも苦しんだ

11番からの3連続バーディで単独首位に再浮上したが、14番からの5ホールでスコアを崩し藤本に突き放された。アゲンストの風が吹く17番(パー3)では、番手をひとつ上げたクラブ選択のミスにより1打目が奥の池へ。最終18番も2打目を左サイドの池に入れるダブルボギーでの締めくくりとなった。「目標のパーオン率を優先することを、悪いときこそ最後まで意識することが大事だと改めて思った」と反省の言葉を並べた。

来季は笑顔いっぱいのルーキーイヤーとしたい

前週のQTファイナルステージ(最終予選会)は16位で通過し、来季はレギュラーツアー前半戦(第1回リランキングまで)の出場権を得ている。このオフはトレーナーと体づくりに励むとともに、「今日できなかったメンタル(コントロール)やスコアを崩した原因を振り返って」さらなる成長への糧にしたい。

「この優勝争いの経験を、今後同じような状況になったときに生かしていきたい」と話すその目に涙はない。悔しさを胸に迎えるオフシーズンを経て、「ルーキーイヤーで初優勝」を目標に掲げる来季へ。プロ初タイトルを逃した雪辱を、多くの同期たちも乗り込むツアーの舞台で果たす。(千葉県長南町/塚田達也)